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1/24 コモンズフェスタ2015「てつがくカフェ~お寺でじぶんを問いなおす~」を開催いたしました。

1月24日(土)、浄土宗大蓮寺でコモンズフェスタ2015「てつがくカフェ~お寺でじぶんを問いなおす~」を開催いたしました。浄土宗僧侶・大阪大学大学院臨床哲学研究室出身の秋田光軌が進行役をつとめる本企画は、お寺でゆっくりと語り合いながら、参加者自身がじぶんの内側を問い直していくという趣旨のものです。友人とのおしゃべりや、会議での話し合い、ディベート等とはまた異なる「対話」を体験していただきました。

はじめに大蓮寺本堂でお勤めを行った後、一人ずつ「ここで呼んでほしい名前」や「今ハマっていること」を語りながら、徐々に和やかな雰囲気になっていきました。次に、皆で考えたい「問い」を参加者から挙げていただき、その中から「自然体とはどういうことか?」が、今回の対話のテーマに選ばれました。

私たちは学校や職場、あるいは家庭においても、周りの状況や空気を読んで発言すること、会社員や専業主婦といった社会的役割に則って発言することを教えられます。それは社会の運営のために必要なコミュニケーションの方法ですが、「てつがくカフェ」ではそのような方法は取らず、むしろ「じぶんに正直である」ことが大切だと言います。いったん社会的役割や過剰な気遣いを外してみて、よく分からなかった発言には「今のはよく分からなかったのですが、どういう意味ですか?」と、シンプルかつ率直に問えるようになること。それこそがてつがく的な態度と言えるのではないか、と進行役からお話がありました。その他にも、「じぶんのことばで話す」や「人の話は最後まで聞く」、「発言は挙手をしてから」など、対話のいくつかのルールが示されました。

対話がはじまってしばらくは様子を窺っている方が多い雰囲気でしたが、ある方の「通常は隠している『ほんとうの自分』があって、それが他の人にも見えるような形で外にあらわれたときに『あの人は自然体だなあ』と思われるのではないか」という話をきっかけに、積極的な発言が増えたように感じました。「『ほんとうの自分』があるとすると、『ほんとうでない自分』って何のこと?」「いや、『ほんとうの自分』や『ほんとうでない自分』に関係なく、『自然体』という状態が考えられるはず」と、ときどきテーマから脱線したり、あるいは意見を変更したりしながら、「自然体とはどういうことか?」について対話がなされていきました。


特に結論をまとめることもせず、終了時刻が来たことで今回の場は閉じられました。「こういった話し合いはすごく新鮮で楽しかった」と感想をおっしゃる方もいらっしゃいました。日常とは異なる時間をお寺で過ごしていただけたように思います。