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2017/11/29-2018/5/15 應典院寺務局:大阪大学大学院人間科学研究科「まなびのカフェ」を開催いたしました。

まなびのカフェ、第1期から2期目の挑戦。

 

昨年の秋から冬にかけての「まなびのカフェ」~子どもと食を巡る「四方山話(ヨモヤマバナシ)~と題して、子どもの「食」について、様々な専門家の先生よりお話を伺いました。今回のコラムでは第1期目の後半の内容に言及するとともに、今期のテーマや内容、そして、今年度後半に考えております内容も少しお知らせすることとします。

昨年の11月29日(水)には、大阪大学大学院人間科学研究科教授の三好恵真子先生から、現代社会に生きる私たちは、知らず知らずのうちに、さまざまな化学物質に囲まれ、飲食や呼吸を通じて体内に取り込んでいる現状を聞きました。国内外のお話を通じて、まず、私たちがしっかり、化学物質過敏症のことを学ぶことで、私たちの体内にどのようなことが起こっているのかを知る必要があると感じました。まずは自らの口に入る「食べもの」を出来うる範囲で注意し、そして適度な運動をしてのデトックスが重要であるとのこと。子連れ参加のお母さんたちが真剣にノートを取り、質問する様子を、三好先生が大変驚いてくださり、子どもが生まれて親になったらからこその学びが大事と、主催、共催者が「まなびのカフェ」の理念として、当事者の学びとしての母親の「学びの環境」として考えていることが実現されていることに嬉しく思いました。保育コーナーも大変活気があり、お母さんのそばで安心してあそべる環境を作っております。また、三好先生のフィールドが世界各地域の環境問題を扱っておられ、文系と理系を横断するようなご研究内容には、今後の様々な研究領域における学際型・部門横断型の学びへの関心が深まるお話でした。

第1期目の最終回は、師走にも関わらず、大勢の参加者が参加くださいました。お題は、「がまんのマシュマロ!?~セルフコントロールから始まるいろんな力~」。講師の大阪大学大学院人間科学研究科助教の清水真由子先生は、自らも二児の母。常に自らのがまんする力を試されているというお話から和やかに会が始まりました。

「マシュマロをすぐに1つもらう?それともがまんして後で2つもらう?」マシュマロ・テストという名前は聞いたことがある方も多いと思います。スタンフォード大学の心理学者であるウォルター・ミシェルが1960~1970年代にかけて実施したもので、「自制心」「セルフコントロール」などと呼ばれています。「将来のより大きな成果のために、自己の衝動や感情をコントロールし、目先の欲求を辛抱する能力」が、人の社会における成功に重要であり、セルフコントロールが出来ることで、「今、ここ、自分」という世界からぬけだして、様々な想像の上から、他者の気持ちを理解することができると言われています。

当日は、幼児期に大きく変化するセルフコントロール、そこから始まるいろんな力について、清水先生からのお話から考えました。保育園や認定こども園において10年以上、こどもの社会性の発達に関する調査経験を行ってこられた清水先生からは「セルフコントロール」の育み方は、養育者による「足場作り」がとても重要で、自らが「問題解決」出来るような手助けが出来るのかが鍵であると述べられました。

そして、先日5月15日に、今年度最初の「まなびのカフェvol.2~〈怒り〉の感情との上手な付き合い方、教えます」が開催されました。

〈怒り〉という厄介と思っている人間の感情について、夫婦間、近隣、ネット、そして自分自身において、なぜ爆発するのか、その背景とメカニズムについて、4つのお話を専門家から伺うことにしています。今期のテーマはかなり挑戦的なテーマ。食やあそびなどのテーマとは異なり、様々な「ネガティブ」イメージがある「怒り」を4人の専門家から、お話を聞き、自分の中にある「怒り」からどう離れるか、どう切り離すか、仏教的な視点からも、お寺で開催する「まなびのカフェ」の新展開。是非ともご興味、ご関心を賜り増すと幸いです。

https://www.outenin.com/article/article-11106/

既に6月12日の回はキャンセル待ちです。3回目以降の講座についても、お早めのご予約をお願い致します。