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1/15 コモンズフェスタ2016「アラフォーから見た終活~相続・葬儀・墓~」を開催いたしました。

1月15日の小正月、コモンズフェスタ2016「アラフォーから見た終活」を應典院本堂ホールにて開催いたしました。終活の価値観や死生観が大きく変わったとされる団塊世代の子ども世代でもあり、終活関連の仕事をしているアラフォー3人(長井俊行さん、岩貞光貞さん、山崎周亮さん)のみなさんが、還暦を迎える20年後の終活時代、世の中はどうなっているのか、というプレゼンテーションからプログラムは始まりました。

まず、進行役の3人からのプレゼンテーションが行われました。20年後、人口が激減すると同時に、65才以上の高齢者の割合は33%の「超高齢社会」であり、街を歩く3人に1人が高齢者という社会の到来です。高度経済成長期に若年時代を過ごし、自己確立や自己責任といわれる「個」の教育の影響が高い団塊世代は、夫婦共稼ぎの子どもがない家庭である「DINKS」や、上野千鶴子さんの著書でもある『おひとり様の老後』で示されたライフスタイルを積極的に選択した世代でもあります。子どものない世帯は、婚姻してもどちらかが先立つ訳で、国内における同世帯の4割が単身世帯となるとも言われているのです。

国の介護保険制度の展望を考えると、今後は介護職員の増加も厳しく、病床数の限界から、施設や病院で看取ることが厳しくなるといわれています。その状況を踏まえて、「地域包括ケアシステム」といわれる、病院での死から地域での看取りへの方向性へと移行しようとしています。多死社会が到来する20年後、アラフォー世代は60才の還暦世代になっている訳ですが、妊娠育児期間が遅くなり、教育期間も長くなっていることから、子どもがあれば、子育て期間は継続しており、親の終末期(介護・看取り)もダブルで佳境を迎えている頃でしょう。

また、その後には一枚づつテーマ「ゼロ葬は?」「寺院の今後」など、用意されたカードに記されたテーマに基づき、参加者が車座になってトークが進められました。団塊世代の第1期終活世代の親たちは、異口同音に「子に迷惑をかけたくない」と言われますが、本当にそうなのでしょうか?遺された家族としての気持ちも多様になっており、亡くなっていく者が「自己決定」をすることがすべてではないという意見も聞かれ、もっとリビングやダイニングで、家族を囲んで終活の話ができることが望ましいという意見も出ました。また、団塊世代では、お葬式は「とりあえず仏教」を選び、形式的な仏式のお葬式を継承しつつも、「お墓」に関しては「継承者不要」の永代供養などの選択肢を選ぶことが多いのではないかといわれています。その子どもたちのアラフォー世代は何を選んでいくのか、車座になった参加者は思い思いの意見を述べていました。

戦後の高度経済成長期を担った親の世代が様々に変更したものの前で、アラフォー世代は大量消費.合理主義他の反動力で、本質に向き合うべく一旦振り戻りがあり、さらなる時流を作ることが求められていると感じています。それには、ビジネスの主流である「儲かる」ということに主眼を置いたメディアに踊らされず、日本人が大切にしてきた死生観に出逢える文学や、日本のよき時代の映画に触れることも良いのではと還暦を迎える住職からの言葉が重ねられました。また、アラサー以下のさらに若い世代の、より柔軟で新しい価値観に期待し、その世代へと橋渡しすることも、アラフォー世代たちの責務であると期待を込めた意見も出されました。