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12/24-25 コモンズフェスタ2016「如是我聞vol.4~是の如く、我聞けり~」を開催いたしました。

應典院のコモンズフェスタでは4回目となり、24時間トークとしておなじみになってきました「如是我聞」。今年もホストの岸井大輔さん(劇作家)、陸奥賢さん(観光家)をお迎えして、お寺を「開く」24時間でした。

今年のゲストは、みなさん1980年度生まれ。東京から齋藤桂太さん、佐藤悠さん、そして、京都より谷亮治さんをお迎えしました。齋藤桂太さんは「渋家」の代表でGallery Ajitoキュレーターも務めていらっしゃる若手のアーティスト。2008年、異なるジャンルのクリエーターが1つの家をシェアするコミュニケーションスペース「渋家」を創設し、「人と人のコミュニケーションからコンテンツを生み出す文化事業」をコンセプトに、そこに集うメンバーと共に様々な作品、企画、展示、イベント、プロジェクトなどを製作されています。

東京藝術大学先端芸術表現科の博士課程に在籍している佐藤悠さんは、近年はある地域に入って滞在制作をしながら、祭礼のような盛り上がりを作る活動や、その場に居合わせた人と即興で物語を作ってゆく「いちまいばなし」等を主に展開されています。今回は新潟の越後妻有の大地の芸術祭の里での「ゴロゴロ莇平(あざみひら)」などの映像を見ながら、参加者の方たちとお話を聞く機会を頂戴しました。ホストの岸井大輔さんからは「近年は<コモンズの終焉>といわれるような現象があちこちで見られる。應典院のコモンズフェスタはこれからどうなるのか?」という刺激的な指摘をいただき、みんなの考える「コモンズ」ってなんだろうというところからどんどんと話が深まりました。私たちが現代社会でそれぞれ個人所有の携帯やスマホなどのデバイスを持ち出してから忘れてしまった、「同じものを見ながら、または作りながら、時間と場を共有する意味」を感じるひと時でした。

また、もう一人の谷亮治さんは『モテるまちづくり』の著者。この本を「まちづくりに疲れた人が初心に返るための再入門書でありたい」とご自身でおっしゃるように、まちづくりやコミュニティとは何なのか?という視点から書かれていますが、「人間の集団ってすごい!」ということを、ゲストやホストと掘り下げる時間となりました。

Ustream配信も2度行い、入れ替わり立ち替わり訪れる参加者の方々と、コモンズ論から、絵解きや物語るということ、演劇や戯曲の話、はたまた恋愛論からミスタードーナツのオレベスト3、そして自死で亡くなった人への鎮魂のことなど、多くの話題に湧いた24時間でした。

24時間話し続ける、まるでホストにとっては修行のようなこのプログラム、最後の満願の時には、親寺の大蓮寺での読経を全員で勤めました。初めてお焼香をする齋藤桂太さんが、自死されたシェアハウスの方をどのように供養していくのが良いのかと話されたとき、やはり、「まち」で「ひと」が「死」そして「生」ということを仲間と考える<きっかけ>=芸術文化・学び・癒し、がある場が「コモンズ」ではないか感じました。今後、應典院寺町倶楽部が「コモンズ」という概念を、如何に非日常の「フェスタ」から日常の「場と時間」とするべきかを考えるひと時でもありました。