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6/17 いのちと出会う会 第150回「この子たちへ家庭の愛とぬくもりを!」 を開催いたしました。

去る6月16日、いのちと出会う会 第150回「この子たちへ家庭の愛とぬくもりを!」
を開催いたしました。記念すべき150回目を迎え、代表世話人である石黒大圓さんからは、これからも様々な方にお話いただき、さらに続けていきたいとご挨拶いただきました。今回は、話題提供者にNPO法人日本こども支援協会代表理事の岩朝しのぶさんを迎え、身体的・精神的に傷ついた子どものケアや現代社会の問題点についてお話いただきました。

病気を抱えて生きる岩朝さん。幼少期の頃は大学病院のベッドの上で過ごすことが大半であり、亡くなるいのちを身近で感じながら過ごされてきました。その過程で、たくさんの消えていったいのちを見てきたことで、その方達の分まで必死に生きようと思われたそうです。大人になった岩朝さんは、働きながら英会話やコンピューター学校に通いながら勉強し、ホームページ作成などを手掛ける会社を立ち上げられたものの、途中、支援者と信頼していた方から騙されたり、苦しい時期もあったそうです。その後、福祉サービスを目指されます。

そんな中、子どもを虐待する親や、子どもを愛せない親などのニュースを日常的に見るうちに、身体的・精神的に傷ついた子どもを助けたいと思うようになり、まずは実践現場の見学に赴きました。しかしながら、見た目は立派な施設でも、泣いてる赤ちゃんのもとへ駆け寄る職員もないことに大きなショックを受けられます。赤ちゃんは泣いても無駄だと泣かないことを学び、そのことで言語発達が遅れたり、愛着障害を引き起こしてしまうなど、施設内ネグレクトが起こっている現状を知ります。

岩朝さんは、赤ちゃんにとって本当に必要なのは自分を常に見てくれる大人であると確信し、里親になろうと決心され、週末里親を経てご家族の理解も得ることができ、5歳の女の子を里子として迎え入れました。その女の子をどこに連れて行こうか、どうやって楽しませてあげようか、と楽しみにされていましたが、日常家庭で身につく生活習慣を教わっていない女の子の育ってきた環境に驚き嘆き、まずは日常の生活を安心して送ることができるところから始めていかなければならないと思ったそうです。そして、そのような子どもたちの援助のために「NPO法人日本こども支援協会」を立ち上げられました。現代の日本社会で、虐待の負の連鎖が招いている現状を打破するために、児童養護施設や里親の支援をされています。「子どもに必要なのはパンじゃない<愛と温もり>です」と確固たる自信のもと仰っていました。まずはみんなに知ってもらうことから始まるのですと、應典院に来て、聞いてくださるだけで有り難いですと笑顔で締めくくられました。

子どもだけにとどまらず、大人にも<愛と温もり>が必要であると感じる今の時代に、仲間とじっくり語り合うことで、気づきを得ることができるこの場がさらに盛り上がり、続いていくことを願っています。