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1/27 コモンズフェスタ2017「The Way We Talk(私たちの話し方)~映画上映会とトーク~」を開催いたしました。

1月27日(金)、本堂ホールにて「The Way We Talk(私たちの話し方)~映画上映会とトーク~」が行われました。應典院にて毎週金曜日夜に「大阪吃音教室」を開催されているNPO法人大阪スタタリングプロジェクトの皆さんが協力して制作された映画で、今回のコモンズフェスタの企画委員として協力頂きました。

映画は、吃音に悩むアメリカの青年マイケル=ターナーさんが主演兼監督を務め、自分の抱える吃音とは何かを考え、吃音とどう折り合いをつけるかを模索する過程を描いたものでした。自分が吃音を抱えていることを知り、〈周りの人〉との関係性に悩むなかで、その悩みを変えてくれたのもまた〈周りの人〉でした。吃音を隠すのではなく受け入れ、吃音とうまく付き合っていくように気持ちを切り替えたことで、周囲の目を気にすることが減り、自然体で過ごすことができるようになっていく様子が丁寧に描かれておりました。吃音だけに関わらず、人間が生きていくうえで必ず衝突する、自分の心の中の「見えない壁」との付き合いについて考える契機となる映画でした。

映画を見た後は、一ノ瀬かおるさん(NPOそーね)をゲストにお迎えし、NPO法人大阪スタタリングプロジェクトの皆さんと、映画を見た感想も含め、吃音について考えを深めるトークを行いました。お話のなかで、一ノ瀬さんから、北海道べてるの家で生まれた「当事者研究」の手法を参考に、「問題の捉え方によって考え方が変わること」が提示されました。たとえば、目の前に大きな象がいるにも関わらず、「目の前に大きな象なんているわけがない」と思い込み、そう振る舞って生きることを選ぶのか。もしくは、「目の前に象がいますね」と声に出して大きな象に目を向けて生きるのか。「問題を隠して生きるかどうか」が、吃音に限らず、その他の障壁となるものと上手く付き合っていくうえで、大切な考え方になるのではないか、ということでした。物事の捉え方ひとつで、すべてが反転していくことを改めて認識する場となりました。

また、この日の映画上映会とトークの場は、同じ悩みや苦悩を共有し、ともに考えを深めることで、安心できる空間が生まれ、話しやすく暖かい空気感が形成されていました。テーマは吃音でしたが、吃音について知ることで、それ以外の自己を取り巻く生きづらさについても、全く同じ型や過程を辿るものだと感じました。