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1/22 コモンズフェスタ2017 第68回寺子屋トーク「それでも母が大好きです〜細川貂々さんと語るハハムスメ〜」を開催いたしました。

1月22日(日)、2年ぶりの開催となる第68回寺子屋トーク「それでも母が大好きです〜細川貂々さんと語るハハムスメ〜」を、コモンズフェスタ2017の一環として本堂ホールにて行いました。今回のゲストは『ツレがうつになりまして。』で著名なエッセイ漫画家の細川貂々さん。第一部には、対話者として登壇頂きましたNPOそーねの一ノ瀬かおるさんとの対話の時間を持ち、今回『それでも母が大好きです』の出版に至る過程でのお気持ちや、このタイトルを付けられた真意などを語っていただきました。

無理に語ろうとしなくても、「母親との関係性の難しさやそこから来る苦悩などは、<時が来たら>自ら語ったり、書いたりすることができる」とはっきりとおっしゃった貂々さん。自らの身体から<苦>を離す作業がいつかは必ずできる、という言葉に一堂頷くひとときでした。母娘だけにとどまらず、母と息子、父と娘、父と息子など、様々な濃密な家族関係の中で生きている私たちですが、絡まってしまった糸を取り除くべきか、そのままでも良いと諦めるのか、人の話を聞くだけで良いと思うのか…。「一人ひとり答えは違うものである」とする貂々さんの経験から来る言葉は暖かく、安堵の空気を一同受け取るような場となりました。

参加者の皆さんと共に軽食を頂いた後は、小グループに分かれて車座になり語り合いました。体験した辛さや悲しみを発信される方、他者の語られるお話を聴き、涙ぐみながら頷く方もありました。匿名だからこそ話せる、また、互いの意見を聴き合うことのできる、暖かいシェアリングの時間となりました。また、お釈迦さんの「じぶんでさえ、じぶんのものでないのに、どうしてじぶんの子どもや財宝がじぶんのものといえるのか」という言葉をヒントに、皆さんからの言葉を丁寧に重ねる会になりました。

今回のプログラムを終えて、家族という閉じた関係性の中での苦悩は、まずは他者に共感してもらえる場が大事であるという意見が多くあがりました。また、お寺でこのような対話の場があることがとても大事であると再認識した1日でもありました。対話者として登壇いただきましたNPOそーねの一ノ瀬かおるさん、そして多谷ピノさんには、後半のグループワークのファシリテーターをして頂きました。本企画を通じて、NPOそーねからたくさんのメンバーにお越しいただき、ご一緒に寺子屋トークを企画・運営して頂けたこと、本当にありがとうございました。