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10/16〜17合宿型ワークショップ「あなたは誰に看取られたいか?」を共催

去る10月16日と17日、今年で4回目となる「生と死の共育ワークショップ」が開催されました。今回のテーマは「あなたは誰に看取られたいか?」でした。主催はシチズンシップ共育企画で、青木将幸ファシリテーター事務所と共催の立場にて実施されたものです。ワークショップを辞書で引くと「工房」という意味が記されていますが、その意のとおり、参加者が相互に自らの死生観を構築あるいは再構築しなおす、希有な学びの場となりました。

もともとこのワークショップは、主催団体であるシチズンシップ共育企画の川中大輔代表が、秋田光彦住職のインタビューをした折に「自分だけがこんな話を聞くのはもったいない」と感じ、身近にいる仲間たちに呼びかけ、お寺に集まり、住職の話を伺い、意見交換をしようと思い立ったことが契機となっています。そして、この間、毎年1回、合計3回の場が催されてきました。初年度は「『もう死にたい』という友人にあなたはどう接するか」、2年目は「自分の『お葬式』はどうあげられたいか?」、3年目は「<老い>を表現する。」と、それぞれに深い問いかけが埋め込まれたテーマを掲げて来ました。そして今年は、無縁社会と言われる中で、改めて死を迎える際に、誰によって看取られたいのかを、それぞれに考える場となりました。とはいえ、それが転じてそれは、自分は誰を看取るのか、ということも考えることになったのです。

参加者11名のうち、半数以上が20代の若者という集いの場では、それぞれが超高齢社会を生きる者として、「看取りの文化」を共に育むきっかけを得たようにも思えます。ゲストには住職からの紹介により、生野区の勝山で開設された菜の花診療所の岡崎和佳子さんをお招きし、言うまでもなく住職もまた、話題提供者として参加されました。

2日間の内容を簡単に紹介しましょう。1日目は川中さんの進行のもと、自己紹介に続いて、「看取りと聞いて思うこと」を自由に意見交換した後、岡崎さんの話題提供が行われました。そして、印象に残ったことばを紙に書き出して、他の参加者と共有したいと感じた内容を声に出していきます。その後は夕食と希望者のみ大蓮寺に宿泊をしました。

2日目は、東京から来られた、研修の進行役を生業としている青木将幸さんが担い手となりました。まずはヨガの方法を用いて呼吸を整え、自分の看取りの場面を絵に表す時間が取られ、その後、秋田住職が話題提供、そしてその内容を踏まえて、印象や疑問を語り合いました。

青木さんによれば、「お寺をお借りして生と死を考える機会を得ているなんて、めったにできることではない」と前置きした上で「お寺で考える生と死は、日常生活で考える場合と、背景の風景が違うことに、尊さがあるように思う」とのこと。ワークショップの途中、関西在住の知人から紹介を受けて静岡から参加した女子学生が「いつも大学ではこんなにメモを取らないのに、こんなに人の話をじっくり聞いて、メモをしながら自分のことを考えた経験そのものが不思議」と言っていたことが印象的でした。既に来年のテーマも具体化されつつあり、恒例の催しとしての発展が楽しみです。