3月24日 祈りを分かち合い受け持つ場を〜4月10日に「祈りの市民集会」を開催

未曽有の大災害となった東北関東大震災。家族が、地域が、故郷が…跡形もなく、押し流されていきました。かつてなかった多くの悲しみが渦巻き、人々は喪失のショックに打ちひしがれています。16年前、阪神・淡路大震災を経験した関西の市民もまた、悲痛な思いを抱えながら、「何もすることのできない」虚脱感や無力感に苛まれています。

古来から、人間は抗いようのない苦境に臨んだ時、ただ「祈る」以外にありませんでした。悲しみを「祈り」として表出し、皆と分かち合うことは、内に封印されがちな悲嘆の感情を癒すグリーフワークのひとつでもあります。そして、多くの「祈り」の力を結束することで、私たちは、心のつながりや共感を育み、これからの再生に向けて支援の輪を広げることができるのではないでしょうか。「祈り」を、もっと都市の中へ、街の雑踏や往来の中に届けることが必要なのです。

今回、私たちは、グリーフをテーマに活動するNPOや研究者、企業の方々とともに、まずグリーフワークとしての「祈り」に着目し、犠牲となった方々へ捧げる場を設けることを企画しました。同時に、一過性のイベントで終わらせるのではなく、「祈り」と分かち合いを継続的に受け持つ場を定期的に設けたいと考えました。

具体的には震災の後、まる1ヶ月経った4月10日、阪神・淡路大震災を経て現在の形に再建された浄土宗寺院「應典院」にて、市民合同の「祈り」の場をともにつくりあげたいと思います(3月24日時点でのチラシがダウンロード可能です)。そして、その後しばらくの間、「祈りとわかちあいの場」を継続してもちたいと考えています。無論、それは應典院「だけ」でなされればよいものではないはずです。ぜひ、この場に集える方、また集えない方、それぞれのかたちで祈りを捧げていただけることを願っています。

2011年3月24日
浄土宗大蓮寺住職・應典院代表 秋田光彦