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7/20 エンディングセミナー2013「お坊さんと語る、カウンセリング」開催

去る7月20日(土)にエンディングセミナー2013「お坊さんと語る、<終活>カウンセリング」が大蓮寺本堂にて開催されました。ゲストには一般社団法人終活カウンセラー協会の武藤頼胡さん、上智大学グリーフケア研究所客員所員・いのち臨床仏教者の会副代表・願生寺副住職大河内大博さんをお迎えしました。当日は猛暑の中65名の方々にご参加いただく盛況な会となりました。

まず武藤さんにキースピーチをいただきました。2010年に終活カウンセラー協会を設立されて以降、武藤さんは、終活とは「人生の終焉を迎える準備をすること」に加えて、「今をよりよく自分らしく生きること」であると強調されてきました。これまで終活カウンセラーとして多くのご相談を受けてこられた中で、大切にされていることは、「相談者と同じ気持ちにはなれないが、思っておられる気持ちをくもうとすること」「何でも話していい場所をつくること」であると語られました。相談者のほとんどは「家族に迷惑をかけたくない」と口をそろえられるそうですが、武藤さんは「私が母を亡くした時には、母は何も準備をしていかなかった。でも一度も迷惑と思ったことはない。エンディングノートを書くと全部準備、手配してしまう。1つくらい家族に宿題を残してあげることも大切」と提案されました。

後半の対談では、武藤さんと共に大河内さんと秋田光彦住職が同席され、山口應典院主幹の司会により、仏教にしかできない「終活の探求」についてお話が展開されました。大河内さんは30代若手僧侶が抱える特有の苦悩、つまり「ただお寺を引き継ぐだけでなく、そのプラスアルファが必要とされる」現状ついて触れられた後、大学生の頃から医療現場でのホスピスケアに関わってこられたご経験をお話されました。

また、「仏教者の『対話力』が失われてきている」という大河内さんの問いかけに対して、武藤さんは「普段のなんでもない時からお寺とつきあえる方法が必要」と語られました。秋田住職からは、「寺のある暮らし、死者と共にいる生き方という『平時』をどのように積み上げていくのか」という現代の仏教者が直面している課題と同時に、「私たち日本人は自分自身の生き死にの問題を本当に考えてきたか?」という根源的な問題意識が投げかけられました。

会場からは、「1ヶ月前に父を看取った。その経験を通して家族の在り方を考える機会になった。ただそれが(親、子、孫という)世代間で共有できていないという問題がある。」「(家族に迷惑をかけないというだけでなく、)もっと親孝行させないといけない。」「お寺はどうしても選択肢のひとつでしかないのが正直なところ。」というご意見・ご感想等がありました。