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コラム

KMA2016REVIEW 野村誠

インタビュー(應典院ニューズレター「サリュ」vol.100より抜粋)
野村誠さん(作曲家・ピアニスト/「ノムさんのスッポコペー音楽会」ゲスト)
文責:秋田光軌


音楽の概念を更新しつづける作曲家が、
これまで歩んできた道程を振り返る。
なんと、次なるチャレンジは中国語!?

ライブやワークショップのみならず、NHK「あいのて」出演や日本センチュリー交響楽団コミュニティプログラムディレクターなど、多方面で活躍されている作曲家・野村誠さん。キッズ・ミート・アート2015(以下KMA)ではパドマ幼稚園を会場にして、野村さんを中心に広がる即興音楽の渦に誰もが惹き込まれた。音楽の力で多くの人を揺り動かす、そのエネルギーの源について伺った。


「小学校三年生の時、ピアノの先生にバルトークの音楽を聞かせてもらいました。バルトークは100年前のハンガリーの作曲家で、周縁の地方の民謡を採集し、作曲に応用した人です。自分もこんな音楽がしたいと影響されて、勝手に作曲をはじめていました。高校生になり、音大受験のためにある先生に会いに行ったのですが、『先生に直されたことをそのまま直してたら一流にはなれない』と言われ、だったら独学でやろうと音大には進学しませんでした。」
その後、大学で結成したバンドのCDデビューを経て、1994年に単身イギリスに滞在する。「バブル期のクレイジーな音楽業界を見てうんざりしたんです(笑)。その頃から子どもと音楽がしたいという構想はありましたが、当時の日本でそんなことをやれる環境はなかった。一方、イギリスでは学校での音楽教育が全盛で、それで食べている音楽家がたくさんいたんです。ただ実際行ってみたら、過去にやったものの焼きなおしで、半分死んでいる現場もありました。これをやれば音楽教育として形になるというだけで、誰もそこに喜びや驚きを持っていない。そんな中で、僕も子どもたちに曲を書いたり、本当に面白いと思うことを試みていました。」
帰国後、国内で子どもとのワークショップを本格的に展開しはじめる。「NPO『芸術家と子どもたち』を立ち上げて、最初に授業の場でやらせてもらったのが2000年です。その時はよほど珍しかったのか、120人も見学者が来ました。ここ15年で、日本も以前のイギリスの雰囲気に近づいてきましたね。僕自身は、音楽を通して新しいものが生まれてくる場に立ち会いたいという想いがあります。子どもがどんな音を出すか、これから何が起きるのか分からない。そこに一緒に立ち会うことは、すごく素敵なことだと思っています。」

KMAについては、さらなる可能性を感じるという。「今回やってみて分かったのは、あんなに幼稚園の先生が参加してくれるんだということ。皆さん、楽しみにしてました!と言ってくれるし。事前に先生たちと準備しておけば、子どもたちが先生と一緒に演奏する演目もつくれますし、別の枠でチームごとに楽器をつくることもできる。KMAの他企画はあまり見れなかったですが、声明ワークショップも面白かったですね。ほとんど説明もないのに、参加者が歌っていて(笑)。」
最後に今後挑戦したいことを伺ったところ、意外な答えが返ってきた。「今は中国語を勉強したいと思っています。中国の人を悪く思わせる情報が、日本の色んなところにある気がしていて。アートをやっている人間として、世間のおかしな風向きとは逆に進みたいと思っています。観光に来ている人と会ったら、一言でも話しかけたい。中国語ってとても音楽的じゃないですか。その感性を作曲に取り入れていきたいです。」

<執筆者プロフィール>
野村誠(のむらまこと)
作曲家/ピアニスト。鍵盤ハーモニカの達人。NHK(Eテレ)「ヒミツのちからんど」、「あいのて」、「ドレミノテレビ」などに出演。日本相撲聞芸術作曲家協議会理事。日本センチュリー交響楽団コミュニティプログラムディレクター。千住だじゃれ音楽祭芸術監督。近年は「瓦の音楽」を展開中。

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