住職仏教講話

秋田光彦

應典院では演劇の仕込みの朝、「法話」と「念仏」がある。「法話」とは宗派伝統の様式があるので、正しくいえば「仏教講話」というようなものだろうか。30代中心の若者たちが、僧侶の話を聴くなど、ほとんど未知の体験だろう。
「布教はやめて」「坊主の話など演劇と関係ない」というクレームがあっても不思議ではないのだが、不思議に20年間一度もそんな声を聞いたことがない。「場の習わし」として受け容れられているのだろうか。たまに「今日のお話、よかったです」と、感想をくれたりする。
朝9時、劇団員が本堂に勢揃いして、正座合掌する。表現が始まる前に、厳粛で静謐な時間が生まれる。これは、演劇人と僧侶による協同作用だ、と思う。
練り込まれた話とは言い難い。ありがたい話でもない。プロの布教師さんには叱られそうだが、せっかくのウェブサイトなので、少しずつ「記録」として書き残していきたい。