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2024/2/8 踊りたくなる舞台としてのコモンズを、都市につくる|W刊行記念イベント『クリエイティブデモクラシー』×『ここちよい近さがまちを変える』

「やってみたい」という個人の好奇心や衝動から、各々の活動・プロジェクトが生まれ、その想いやアイデアが周りに伝搬する。その活動が育ちゆく。新たなプロジェクトのまわりに、また人が集まる。近年、再注目される「コモンズ」とはこのように、人々が関わり、営みが生まれ続ける場であるとも言えるかもしれません。

手触りのなくなってしまった民主主義とは、本来、そうやって人が人とつながり、分かり合えないながらも、なんとか協働するなかで、暮らしを徐々に変えていくものだったはず。

改めていま、顔を突き合わせ、互いを気にかけ、各々の「これやってみようよ!」を大切にしたい。わたしたちの手で社会をつくるために、人々が踊りたくなるような舞台が、「ここちよい近さ」が、都市のあちこちに溢れていたら?そこから立ち上がるオルタナティブな民主主義を「クリエイティブデモクラシー」と名付けてみました。

本イベントのゲストには『ここちよい近さがまちを変える』の翻訳者の一人であり、福井県鯖江市で多様なまちづくりや行政とのデザインプロジェクトを実践する森一貴さんを、一般社団法人公共とデザインからは共同代表であり『クリエイティブデモクラシー』共著者の川地真史が登壇します。モデレーターを務めるのは、株式会社ここにあるの藤本遼さん。実践から紡がれることばを巧みに引き出し、思想と実践論を行き来する、対話型セッションです。

『クリエイティブデモクラシー』について

公共とデザインで出版した著書『クリエイティブデモクラシー 「わたし」から社会を変える、ソーシャルイノベーションのはじめかた』が2023年10月25日に刊行されました。本書は、一言でいえば「民主主義を問い直し、わたしたちの手で社会をつくる新しい可能性を提案する本」です。異なる他者と出逢い、対話し、関わり合うなかで生まれる自身の活動(ライフプロジェクト)が、ソーシャルイノベーションにつながりうることを伝えています。本書を通じて、身近な足場(ローカル)において、一人一人が一歩を歩み始める希望を獲得し、それが社会変容や民主主義社会の実現に接続されているという新たな見方が醸成されることを狙いとしています。
👉公共とデザイン
👉クリエイティブデモクラシー

『ここちよい近さがまちを変える』について

2023年11月3日に刊行された『ここちよい近さがまちを変える ケアとデジタルによる近接のデザイン』は、イタリアのデザイン研究者、エツィオ・マンズィーニによる著作の日本語版翻訳書です。本書は、コロナ禍でわたしたちのあいだに生まれた距離を乗り越え、関係性とケアに基づいた豊かな近接地域をデザインしていこうと提言しています。本書の背景にあるのは、コモンズやコミュニティ、関係や機能といった、都市の様々なものたちが相互依存しながら変容し続けるエコシステムとしての都市像です。マンズィーニはこのような都市の捉え方を前提に、人々が出会い、関わりあい、新たな協働やコミュニティが生まれるようなデザインのあり方を捉えようとしています。
👉ここちよい近さがまちを変える

こんな方におすすめです

  • コモンズ、ケア、民主主義などのワードにピンとくる、これからの社会形成に関心がある方
  • ソーシャルイノベーションや社会課題への向き合い方に関心のある方
  • まちづくりや地域づくり、エリアマネジメントなどの取り組みをされている企業の方
  • 生活者や個人の活動を、対話や共創プロセス、環境づくりを通じて後押ししていきたい方
  • 自分自身のもやもやや、こうしてみたいという気持ちから、何か行動やプロジェクトを起こしてみたい方

◇開催日

2024年
2月8日(木)18:30〜20:30(開場18:00, 閉場21:00)

◇会場

大蓮寺 (大阪府大阪市天王寺区下寺町1丁目1−30)

◇定員

30名程度

◇詳細

https://creative-democracy-2.peatix.com/?fbclid=IwAR1v_GIZR1JIarkpQwG7P_mQ2tjZRYiwtxk_CWWaQsb5pVBVOGJoHfFzTvg

◇協力

浄土宗大蓮寺, 應典院

スピーカー

川地 真史|公共とデザイン/ Deep Care Lab

公共とデザイン共同代表 / 一般社団法人Deep Care Lab代表理事
Aalto大学CoDesign修士課程卒。フィンランドにて行政との協働やソーシャルイノベーションを研究の後、現在はエコロジーや人類学、未来倫理などを横断し、あらゆるいのちへの想像力とケアの実践を探求。渋谷区のラボ設立伴走、産むを問い直すデザインリサーチ「産まみ(む)めも」、應典院「あそびの精舎」構想/運営、「多種とケア展」開催などプロジェクト多数。論考に『マルチスピーシーズとの協働デザインとケア』(思想2022年10月号)、共著に『クリエイティブデモクラシー』(BNN出版)

森一貴

シェアハウスの家主。フィンランド・アールト大学デザイン修士。福井県鯖江市を拠点に、越前鯖江の産業観光イベント「RENEW」や「ゆるい移住全国版」など、持続可能な地域を目指すプロジェクトの企画・実施に携わる。また、福井県や鯖江市とのサービスデザインプロジェクトや、フィンランドにおける政策デザインに係るリサーチを実施。関心領域は多様な人々が出会い、関わりあい、思いもよらない変化が生まれる参加型デザインで、特に「わからなさのなかでともにデザインすること」に取り組む。共訳書に『ここちよい近さがまちを変える』。

モデレーター

藤本遼|ここにある代表取締役

ここにある代表取締役/場を編む人 1990年4月生まれ。兵庫県尼崎市出身在住。「余白のデザイン」と「あわいの編集」をキーワードに、さまざまな地域プロジェクトに関わる。代表的なものは「ミーツ・ザ・福祉」「カリー寺」「おつかいチャレンジ」「グッド!ネイバー!ミーティング!」「武庫之のうえん」など。多様な地域住民や関係者の巻き込み、プロセスデザインを専門としている。『場づくりという冒険 いかしあうつながりを編み直す』著。

公共とデザインについて

公共とデザインは「多様なわたしたちによる公共」を目指し、企業・自治体・共同体と実験を共創するソーシャルイノベーション・スタジオです。住民との協働や生活者起点のリサーチ、実験やワークショップ等に基づく事業創出など、社会課題の当事者との協働からのプロジェクト創出に取り組んでいます。わたしたちは、ソーシャル・イノベーションのためのデザインを通じて、社会課題の当事者が望ましさを描くことに軸足を起きながら、多様な他者としての行政や専門家が既存の社会構造・ルール・慣習などを見つめ直し、各人が価値観を上塗りしながら新しい活動が生み出されることを支援しています。