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2025/3/26 むぬトーク vol.1「動植物の供養と共生 -いきものの死から考える死生観」ゲスト:加藤秀雄氏

「死」と向き合うことは、世界との関わり方を問い直すこと

ふとしたとき、「死」について考えることはありますか?

身近な人の死に向き合うとき、多死社会の訪れを感じる知らせを聞いたとき、自分のこれからを想像したとき、思い出の品を手放すとき。日常生活で様々な「終わり」に遭遇する度、ふとよぎる問いですが、じっくり向きあい、話しあえる機会はなかなかありません。

「死」について語ることは、「生」を考えることでもあります。
さらに、多死社会・気候変動と災害・伝統文化の縮小・生物多様性の激減…といったように、人もいきものも文化も「終わり」が切り離せない時代を迎えています。私たちは「終わり=死」から「これからの時代をどう生きるか」を考えることができるのでは?

「むぬトーク」は、そうした「生と死」にまつわる問いを一緒に考え、語り合う場です。
ともに、対話を通して深めてみませんか?

「生と死」をめぐる対話型トークイベント『むぬトーク』

『むぬトーク』は、現代における「生と死」をめぐる対話型トークイベントです。

「生と死」は誰にとっても避けられないテーマであり、社会全体の未来を見通すレンズにもなります。AI/VRの発展、多死社会、気候変動や災害、生物多様性の危機———こうした変化のなかで、私たちは「生と死」にどのように向きあえばよいのでしょう。

AI技術による死者の再現やグリーフケア、生類供養、風景に込められた記憶と継承などのテーマを横断し、むぬトークでは、独自の知見や経験を持ったさまざまな研究者・実践者をゲストに迎え、こうした幅広い観点から対話を深めていきます。また、参加者同士の対話の時間も大切にしながら、共に思考を深める場をつくります。

『むぬトーク』の名前は、2024年に開催された「産む」から「死ぬ」までをテーマとしたイベント『むぬフェス』に由来します。このイベントの背景を引き継ぎ、定期開催の対話の場として生まれ変わりました。

「いきもの供養」を通じて、死生観を見つめなおす

今回は、民俗学者の加藤秀雄さんを迎え、生類(いきもの)供養と現代の暮らしについて考えます。古くから日本では、漁業や養蚕業などの「なりわい」に従事していた人々が、その過程で生き死にするいきものを供養して、自然や、自らの気持ちと付きあってきました。一方、現在では巨大なシステムによる分断から、日々の衣食住が自然や生きものの生死の上に成り立つ実感は希薄化しています。その中で、生類供養の営みは、かつての人々が動植物や自然といかに付き合い、死生観を構築してきたかをまなべるはず。

「なりわいや産業の中で営まれてきた動植物供養と日本独自のいのち観とは?」
「死生観をはぐくむ、現代的な供養文化の可能性とは?」

このような問いをもとに、現代において供養文化がどのような意味を持ち得るのか… 加藤さんの知見や実践について伺いながら、参加者一人ひとりの問いに向き合います。

こんなことに興味関心がある方におすすめです!

・ケアと自身の死生観を現代の文脈で再構築したい
・対話を通して自身の思考・問いを深めたい
・「生と死」など、普段話す機会のないテーマで、 気軽に話せる場を探している
・自然共生をふまえたなりわいや産業、ビジネスのこれからを探求している
・ネイチャーポジティブやリジェネラティブデザインなどの領域に関心がある
・DIYや都市養蜂、自給自足的ムーブメントに関心がある
・アニミズム的世界観に関心があり、人間と非人間の調和による新しい生き方を追求している
・仏教思想や民俗学、人類学的な視点を取り入れながら、現代の営みを読み解きたい

ゲスト:加藤秀雄さん(民俗学者 / 琵琶湖博物館)

 

 

 

 

 

 

 

滋賀県立琵琶湖博物館研究部主任学芸員。民俗学専攻。博士(文学)。

1983年、大分県別府市生まれ。国立歴史民俗博物館機関研究員/成城大学民俗学研究所研究員を経て現職。最近は人と自然の関係を「ふえる/へる」、「ふやす/へらす」という観点から考える研究を進めている。主著に『伝承と現代-民俗学の視点と可能性』(勉誠出版、2023年)、「神・人・動物の境界を揺るがすもの」(『動物たちの日本近代-ひとびとはその死と痛みにいかに向きあってきたのか-』ナカニシヤ出版、2023年)、「伝承への倫理」(『現代思想』52巻6号、2024年)などがある。

当日の流れ

・イントロダクション
・ゲストからの話題提供
・参加者同士での対話
・対話の全体共有
・クロージング

※上記は変更になる可能性もありますのでご了承ください。
出来るだけ参加者の皆さんとの対話の時間を多く設けたいと思っています。

 

開催概要

日時

2025年3月26日(水)18:30~20:30

場所
應典院

ゲスト
加藤秀雄さん(民俗学者)

定員
20名

チケット料金

500円
(別途、任意でお布施も受付しております。)

チケット申込について
以下、Peatixよりお申込みください。(クレジットカード・コンビニ決済・PayPal対応)
※現金でのお支払いは受付しておりません。

 

 

 

 

 

ご参加にあたっての注意事項
・欠席される場合はキャンセル待ちの方に参加枠をお譲りしたいと思いますので、欠席が決まった段階で早めにご連絡をいただけると幸いです。
・定刻で始められるように5〜10分前の入場にご協力をお願いいたします。
※上記にご了承いただける方のご参加をお願いいたします。

お問い合わせ

あそびの精舎|應典院:asobi.outenin@deepcarelab.org

背景と体制

本イベントは、「あそびの精舎」構想に関連した企画です。 仏教・アート・ケア・教育…多様な視点と活動から、 あそびを通じて、いのち・生き方・暮らしを分かちあう「ライフコモンズ」を都市に育みます。

あそびの精舎

「あそびの精舎」は應典院が一般社団法人Deep Care Labと協働で立ち上げた拠点づくり構想です。子どもからお年寄り、祖先や未来の世代が集い、ともに「あそぶ」ことで、いのちのつながりに気づき、今の生き方を見つめ、生まれ死ぬまでの、暮らしをともに支えていく。その3つのLifeをふまえた「ライフコモンズ」の拠点へ。仏教思想をベースとして、日常の居場所から、ケアと教育、子どもと家族、老いや死生観といったテーマでのマルチセクター協働につながるリビングラボへの展開をめざしています。
https://asobi.outenin.com/

一般社団法人Deep Care Lab

祖先、未来世代、生き物や神仏といったいのちの網の目への想像力と、ほつれを修復する創造的なケアにまつわる探求と実践を重ねるリサーチ・スタジオです。人類学、未来学、仏教、デザインをはじめとする横断的視点を活かし、自治体や企業、アーティストや研究者との協働を通じて、想像力とケアの営みが育まれる新たなインフラを形成します。https://deepcarelab.org/

主催・企画運営

主催:應典院

企画運営:一般社団法人Deep Care Lab

人物(五十音順)

加藤秀雄
(滋賀県立琵琶湖博物館研究部主任学芸員。民俗学専攻。博士(文学)。)