
2025/8/21 【道の道場ゼミ @應典院 #1】 未来に応える経営へ──“よき祖先”としての企業を考える夜
未来に応える経営へ──“よき祖先”としての企業を考える夜
道の道場@應典院 第1回
短期的な成果だけでなく、 未来世代や自然、社会との調和も大切にしたい──。
でもビジネスの現実のなかで、どうその想いを実現できるのか?
そんな葛藤を抱える経営者・ビジネスパーソンに向けて、 仏教とビジネスの対話を通じて
「良き祖先としての企業のあり方」を探求するゼミナール、 道の道場ゼミ@應典院がいよいよスタートします。
<今回のテーマ> 供養文化に学ぶ“終わり”のデザイン
道の道場ゼミでは毎回、主催者や参加者の関心、そして時代の流れを踏まえながら、ひとつのテーマを中心に据えて対話を深めていきます。
今回のテーマは「供養」。
日本には古来より、人だけでなく、草木やモノ、さらにはAIやロボットにまで“魂のありか”を見出し、別れの際には「供養」というかたちで丁寧に区切りをつける文化があります。生き物だけでなく、道具や存在との関係性に別れの儀式を設ける文化は、世界的に見ても希有なものだと言われています。
一方で、現代のビジネスの現場では、「新しいものを生み出す」ことは注力されるものの、「終わらせ方」や「別れ方」をどう設計するかが、語られることはあまりありません。
今回は、日本の供養文化を手がかりに、
プロジェクトや組織における“終わり”のデザインとは?
モノや技術との“別れ”をどう迎えるか?
サーキュラーエコノミーや再生型ビジネスと供養の接点は?
といった観点から、ビジネスシーンにおける「終わり」の付き合い方について探っていきます。
単なるスピードや成果だけでなく、関係のしめくくり方にこそ、未来への種があるかもしれません。
開催概要
日時
2025年8月21日(火)18:45~21:00(開場18:30)
場所
應典院
参加費
一般 3000円
「松本紹圭の方丈庵」購読者 2,000円
予約・申込
以下、Peatixよりお申込みください。(クレジットカード・コンビニ決済・PayPal対応)
※現金でのお支払いは受付しておりません。
お問い合わせ
應典院:info@outenin.com
主催 :松本紹圭の方丈庵
運営協力:Deep Care Lab ビジネス部門
案内人 :僧侶 松本紹圭
案内補佐:僧侶 大倉円寂
ビジネス・メディエーター:川地・田島(Deep Care Lab)
会場協力:應典院(あそびの精舎フォーラム協力企画)
「道の道場ゼミ@應典院」とは?
──“よき祖先としての企業・社会人”を探求する場
「短期的な売上確保に追われながらも、このままでいいのかという漠然とした違和感がある。」
「未来世代や自然環境も含めてwin-winになる事業のあり方を考えたい。でも、現実の制約がそれを難しくしている。」
「AIやSDGs、サステナビリティなど時代のキーワードに対応しながら、何か本質的な指針がほしい。」
成果とスピード、さまざまな課題への対応が求められる今だからこそ、長い時間軸で“本当に残したいものはなんなのか”、”企業として・社会人としてのあり方”を問い直す機会をー。
都会の中にありながら、喧騒を離れられる環境の中で、経営者やビジネスパーソンが葛藤や違和感を持ち寄り、仏教的視点とビジネスの知を交差させながら、「よき祖先とは何か?」「企業、そして自分のこれからのあり方とは?」を対話と内省を通じて深めていくゼミナール、それが道の道場@應典院 です。
『グッド・アンセスター』を翻訳し、ダボス会議の参加を通じて最新のビジネストレンドにも触れながら、“産業僧”として企業人の相談や研修に数多く携わってきた松本紹圭さんと、視野を広げ自然や未来世代の視点から企業のあり方や事業を検討するプログラムを提供しているDeep Care Labが、大阪のお寺・應典院でみなさまをお待ちしています。
<Keyword>
経営・組織・価値創造に対する視座のアップデート
企業という存在を「生命」や「関係性」からとらえ直す新たな態度・思考法
AIやSDGsといった技術・社会テーマを仏教の視点から読み解く倫理的インサイト
社会課題に向き合い、現代社会やビジネスのあり方に悩む仲間とのつながり
<開催概要>
頻度:2〜3ヶ月に1回・夜開催
形式:トーク・対話・ワークショップ・フィールドワークなど
場所:應典院(大阪)
料金:3000円/回
<対象となる方>
・経営者、リーダーなど、企業の方向性に関わる方
・「良き祖先としての企業経営」という視点に共感した方
・今の枠組みのなかで模索し続けることに、限界を感じている方
・組織や事業において、「しめくくり方」や「終わらせ方」に悩んでいる方
・成果主義・スピード重視のビジネスに違和感を感じている方
・仏教的な視点から、現代の働き方や経営を問い直してみたい方
・サーキュラーエコノミー、ウェルビーイング、倫理設計などに関心のある方 など
ご興味を持ってくださった方はどなたでもご参加ください。
松本紹圭さんより
皆さま、こんにちは。僧侶の松本紹圭です。
これまで、「松本紹圭の方丈庵」というnoteマガジンを細く長く続けてきました。自分のお寺を持たない遊行僧としてのインターネット上の居場所でもあり、皆さんとゆるやかにつながる場として大切に育んできたものです。
同時に、講演や企業研修に出向いたり、産業僧で経営者の方々との対話を重ねるなかで、最近、ビジネスの現場で働く方から「直接話が聞きたい」とお声を掛けていただく機会が増えてきました。そうした声に応えて、直接お会いできるリアルな場と機会を設けようと思い立ちました。Deep Care Lab、應典院ほかたくさんの仲間に支えてもらい、「道の道場」として、まずは関西の地より、ひとつ開いてみたいと思います。
*
大阪平野の南端にのびる丘陵地――上町台地。北は梅田、南は難波まで、三方を低地に囲まれたこの地は、約7,000~6,000年前、河内湾と大阪湾にはさまれた半島でした。沈む夕陽を眺めるこの高台は、平安末期には浄土信仰の聖地として人々の心を西方(浄土)へと誘った場所でもあります。
対岸には国生みの島・淡路が見え、大地の守護神・生島神と足島神がそっと見守ります。弘法大師・空海が極楽浄土を観想した「日想観」の舞台であり、京都から熊野へと向かう道の一部でもありました。
商都として栄えながら、深い信仰にも支えられてきた大阪。「多様な命の交差(カオス)の中に、秩序を育む智慧(コスモス)がある」という仏教の教えは、ここで息づいています。
いま私たちが考えたいのは、この地を未来へとつなぐ「グッド・アンセスター(よき祖先)」として、どんな智慧を残せるかということ。激動の時代だからこそ、私自身も皆さんとともに、あらためてこれからの “道” を問い直したいと思います。
合掌
松本紹圭