家族を巡る生死の物語 映画「塵」上映とトークショー

東日本大震災を経験して、私たちは家族や地域といった伝統的なコミュニティについて、改めてその存在感を再認識することとなりました。都市社会では血縁や地縁は古いしがらみとして忌避された感がありますが、逆に東北の被災地では伝統的共同体が色濃く残り、その力強い基盤の上に数々の支援や復興も成り立ったという事実があります。
社会が「無縁化」しているのではなく、本来あったはずの縁が機能せずに、「絶縁化」しているのだとすれば、今、つながりを紡ぎ直す時期を迎えているのではないでしょうか。

河瀨直美監督は、一貫して大和というゆたかな風土に腰を据え、家族の生と死を巡る物語を表現してきました。とくにこのたびの新作「塵」では、今年2月に96歳で亡くなった最愛の養母・宇乃さんの「人生の最終章」を描いています。ひとりの女性の晩年を見つめながら、家族への親愛、故郷への憧憬、そして共同体の絆など、生きる上で、かけがえのないものは何か、と問いかけてきます。それは、私たち日本人が喪ってしまった、伝統的な共同体の縁をもう一度呼び起こし、新たな感性で編み直すことを表しているのではないでしょうか。

今回のコミュニティシネマでは、第1部、最新作「塵」の大阪初上映と、第2部では、河瀨映画の熱心なファンである宗教学者釈徹宗さんとのトークショーも予定しています。

また、本企画は、相愛大学人文学部仏教文化学科と共催、本学科の学生が学外実習プログラムとして多数運営にかかわりながら、映画を通して、「家族と生死」「仏教と社会」などを学びます。

※ こちらのプログラムはご好評につき、定員超えとなりましたので、お申込を締切とさせていただきました。申し訳ございません。当日18:25よりキャンセル待ちの整理券を配布させていただきますが、立ち見または満席となる可能性がございます。ご了承くださいませ。

開催日

2012年9月19日(水)

プログラム

19:00〜19:05 主催者挨拶

19:05〜20:05 映画上映

20:05〜21:00
トーク「家族を巡る生死の物語」

河瀨 直美さん(映画監督)釈徹宗さん(宗教学者)

上映作品

※映画の詳細は、website http://www.kawasenaomi.com/ja/diary/

をご参照ください。

場所

應典院本堂ホール

料金

一般 1,200円
應典院寺町倶楽部会員 学生 1,000円

お申し込み

應典院寺町倶楽部事務局

TEL 06-6771-7641

E-mail info@outenin.com

上町台地.cotocotoでのオンライン予約(定員130名)

http://uemachi.cotocoto.jp/event/71043

お問い合わせ

應典院寺町倶楽部事務局

TEL 06-6771-7641

E-mail info@outenin.com

主催・協力等

共催 相愛大学人文学部仏教文化学科
協力 ビジュアルアーツ専門学校