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2017/11/27-28 岸井大輔の基礎戯曲講座 第7回~第8回

〈應典院寺町倶楽部協力事業〉

劇作家・岸井大輔が考えた、独断と偏見による、これだけは読んでおきたい戯曲を1本ずつ読んでいく基礎戯曲講座。毎回、事前に課題となる戯曲を読んできていただきます。講義があり、それからみんなで話します。

<第7回>「べケット『しあわせな日々』~べケットは何を招いたか」(再)

◆開催日 11月27日(月)19:00~22:00
◆参加費 アーティスト(自己申告制)1回1000円 10回通し5000円
アーティスト以外1回2000円 10回通し10000
別途:500円(お茶とお菓子代)
◆会場 應典院研修室B
◆申込み・問合せ https://www.facebook.com/events/1417802748337524/

基礎戯曲講座の第7回です。参加条件は、ベケットの「しあわせな日々」を読んでくることです。ベケットは日本では人気があるので、入手はそれなりに容易です。

ベケットは、人間が存在するだけで劇になることを示しました。抽象といってもよい切り詰められた表現は現代的な演劇を作る方法を具体的に提示し、思想や芸術全体に大きな影響を与えたといえるでしょう。しかしでは、ベケットが劇に残したものはなんでしょうか。あるいは、そのことで何が提示されたのでしょうか。戦争や差別の極限状態にある人たちにこそ愛されてきた、現代のコメディ王でもあるベケットの見せる存在の様を覗き込んでみたいと思います。

今回は最初に、ベケットのほかの戯曲を、集まった受講者でやってみます。大して動きませんが、そのつもりでいらしていただけると助かります。

 

<第8回>「演劇作品があるのなら、それは魔法の笛である」

◆開催日 11月28日(火)19:00~22:00
◆参加費 アーティスト(自己申告制)1回1000円 10回通し5000円
アーティスト以外1回2000円 10回通し10000
別途:500円(お茶とお菓子代)
◆会場 應典院研修室B
◆申込み・問合せ https://www.facebook.com/events/125784768138578/

基礎戯曲講座の第8回です。参加条件は、モーツァルト作曲のオペラ「魔笛」の戯曲を読んでくることです。出版もされていますが、魔笛のCDにはたいてい戯曲がついているので図書館などでCDを借りて聞きながら読むことをお勧めします。

オペラはイタリア語で「作品」のことです。オペラの上演には、多くの専門家(劇場、楽器演奏、演劇、美術の専門家)を必要とするので、指揮者も演出家も全体を見通すことなど不可能といえるでしょう。だから、面白かったとしても作家によってコントロールされたものではない。ではなぜそれが典型的な芸術作品のひとつと考えられるのでしょうか。

オペラを語るなら、イタリアオペラを扱うべきでしょうし、ドイツでもワーグナーがエポック。魔笛はポピュラーではありますが典型的なオペラとはいえないでしょう。ではなぜ今回歌劇の戯曲を扱うのに魔笛を取り上げるのかといえば岸井が大好きだからです。僕にとって演劇とは、つまり魔笛のことですから。しばしば、ハチャメチャさを指摘される魔笛の台本ですが、モーツァルトは音楽だけでなく演劇の天才でもあり、彼のかかわった戯曲から学べることはたくさんあります。近代社会の成立を支えた魔法の秘密を一緒に読み解きましょう。