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2025/4/15【住職ブログ】30代僧侶という不思議。仏契機の会。

  私は30代僧侶だった頃、この世界では全く歯牙にもかけられず、会合となれば、諸大徳のテーブルをお酌をして回るのが常であった。青年会の組織も同じような構造で、結局宗門の人材としての成長線は、既定のヒエラルキーの中で年齢と経験を重ねていくしかなかったのである。

  潮目が変わったのは2000年ごろからで、ひとつは公共の概念が拡大し、お寺による社会活動が活発化したことと、ネットを駆使したデジタル世代が台頭したことによる。具体的な現象としては、BBAや未来の住職塾、おてらおやつクラブなどが挙げられるが、新世代の登場のエポックだった。2011年にはスマホを駆使しながら、被災地を巡る青年僧たちの姿があった。かつてのヒエラルキーからは自立していたのである。

  もはや自分の息子世代であるから、完全に理解できているとは言いがたい。私から見ればつかみどころがないし、ふわふわしているし、言葉の強度も緩く感じる。しかし、ヒエラルキーから脱した彼らは、明らかに予備軍でも下請けでもない、自分たちのポジションを作り出そうとしている事は確かだ。

  應典院の新しく始まるシリーズ「あそびの精舎フォーラム」の第1弾を、あえて彼らに任せてみる。私のセンスとはだいぶ異なるところもあるのだが(笑汗)、しかしこういうアプローチがあって、旧世代とは違う、新しい仏教との出会い方が生まれるかもしれない。5月29日、面白い30代僧侶(厳密には少し違うのだけど)4名が集まって、一緒にワイワイやろうじゃないか。

  なお、このフォーラムは5月以降ほぼ毎月連打していく。ようやくコロナ以前の應典院に戻れるというか、再起動である。それを、若手たちが飾ってくれることが何よりありがたい。

人物(五十音順)

秋田光彦
(浄土宗大蓮寺・應典院住職)