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1/18 コモンズフェスタ2015「反孤立へのレッスン~「加害者家族」をめぐる朗読とトーク」を開催いたしました。

1月18日(日)コモンズフェスタ2015「反孤立へのレッスン~「加害者家族」をめぐる朗読とトーク」を開催致しました。これは、昨年9月に行いました寺子屋トーク「仏教と当事者研究」の1部であった「加害者家族の朗読劇」の続きを企画したものです。

犯罪が年々増す中で、被害者家族はマスコミの取材による二次被害で心の傷が癒える間もありませんが、あまり前面には出ない加害者家族も、実は凄惨な生活を強いられております。罪の悲しみや苦しみは、加害と被害の区別を越えて生み出されており、2010年に出版された『加害者家族』(鈴木伸元著・幻冬舎)は、相互にもたらされる悲苦を浮き彫りにした一冊です。今回、同書の朗読を通じて当事者が抱く苦しみへの焦点を当てていきました。

上演は前回と同様、劇団満月動物園さんに行っていただきました。暗い場内で、役者の方々と中央にのみスポットライトが当たり、淡々と朗読をしていくというものです。本の内容は、衝撃的な事実ばかりで、ひとり目で本を読んでいくこととは、また違った印象を残していきました。

朗読に引き続いて、トークセッションを開催致しました。ゲストは、戒田竜治さん(満月動物園作家・演出)、河上由佳さん(満月動物園俳優)、泉 寛介さん(baghdad cafe’)、相内唯史さん(映像・満月動物園プロデューサー)。聞き手は山口洋典(浄土宗應典院主幹)の5名で、行き場のない物語、現実に向き合っていただき、『加害者家族』へ触れていただきました。

今回満月動物園さんは、できるだけ過度な演出を控え、事実を羅列し偏らない見せ方にこだわり、観る側の想像の幅が広がるように、こだわって作り上げて下さいました。その演出家である戒田さんから「加害者家族に向けられる、匿名の悪意がなくなるだけで楽になれる方がいる。事実として、知ってほしかった。」と、この上演に対する思いをお話いただきました。
他の皆さまからは、「加害者家族」という社会課題に対しての意見や、演劇としての作品に対する感想が語られ、表現者であるゲストの方たちからの、またひとつ違った見え方をお話していただきました。扱うことが難しいテーマであるだけに、丁寧に、深く考察を進めていただきました。

最後は、山口主幹より「受け入れられなくても、受け入れなければいけないことがある。認めていくプロセスが大切であるし、生きることに向き合い、互いに何をしていったらよいか、ともに考えられれば。」という投げかけのもと、閉幕となりました。