イメージ画像

2018/1/7 髙道屋沙姫:「應典院を俯瞰する~レビュアーから見た應典院寺町倶楽部~」レビュー

應典院寺町倶楽部との協働により、モニターレビュアー制度を試験的に導入しています。1月7日(日)に應典院本堂にておこなわれた、コモンズフェスタ2018企画「應典院を俯瞰する~レビュアーから見た應典院寺町倶楽部~」。2017年7月より導入された應典院寺町倶楽部モニターレビュアーの皆さまにお集まりいただきました。今回は劇作家・演出家の髙道屋沙姫さんにレビューを執筆していただきました。


應典院へようこそ!

いらっしゃいませー!と言うバイトを普段している。9時15分に出勤していつもより早めの17時にあがって急いで電車に乗る。集合時間は18時。急いだ甲斐あって少し余裕があったので途中でコンビニに寄る。

應典院のレビュアー座談会では初めてレビュアー全員の8名が集まる。まだ一度も会ったことのない方もいて、人見知りなうえにレビュアーで1番学のない所謂『お馬鹿代表』みたいな私が一体何をお話し出来るんだろうかとドキドキしながら應典院へ。到着するとカヨコの大発明の二朗松田さんがホワイトボードに装飾を施している。すごい。それを横目に私は『始まる前にお腹が空いては大変だ!』と思って買った塩ミニクロワッサンを食べる。『あんまり美味しくないなぁ。こりゃ失敗。』と思って隣をみると坂本企画の坂本さんが座っていた。1人で食べるのはなんだか寂しいような申し訳ないような気がするので坂本さんにおすすめしたら坂本さんは優しいから一緒に食べてくれる。美味しくないと思っていたことはここだけの秘密。打ち合わせが始まると、どうやら観に来て下さる方はいるようでホッとした。観に来て下さる方が1人でもいるというのは有難い。多分、誰もいなくてもレビュアーだけである程度楽しくお喋り出来るだろう。しかし観客が入ることによって『面白い内容を目指そう』という緊張感と気合いが格段に増す。開始30分前、本堂の扉が開く。

座談会が始まると色々な話題が出た。自己紹介から始まり、『なんのレビューを書いたか』『他のレビュアーを意識しているか』『何を意識してレビューを書いているか』『應典院という場所について』などなど他にも色々あった気がしているが今は思い出せないので置いておく。他のレビュアーの方々のお話しを聞けたのは私自身とても有意義だった。レビューを通して應典院へ少しでも多くの方に訪れて欲しいと思っている方、自信をなくさない為に他のレビュアーが書いたレビューを極力読まない様にしている方、劇場として接してきた應典院への印象が体験を通して変わった方。詳しいことは後日公開される記録映像を見て頂くのが1番確かだと思う。私はと言うと、レビューを書いているのは誰かにオススメする為と言うより自分の記録みたいな面が大きいかもしれないし、他のレビューは自信を無くしそうで怖いから極力見ない様にしているし、應典院に関しては劇場ともお寺とも認識せず祖父母の家の様な感覚でいる。14歳で演劇部に入部して初めて立った舞台は應典院だったし、應典院に来れば必ず誰かがいて『おかえり』と言ってくれる。ほのかに香る線香となんとも言えない安心感が應典院にはある。

座談会が終わる頃にはミニクロワッサンの甲斐もなく腹ペコだった。『お腹すきましたぁ』と私が言うと坂本さんが『1つ食べちゃってごめんなさい』と言う。こういう会話や暖かくて落ち着いた空間、應典院に集まる人達が本当に愛おしくて大好きだなぁと改めて思う。

今まで一度も誰かに対して應典院をお勧めしようと思ったことはない。それは、一度来てみれば應典院という場所や應典院が行なっている取り組み、ここに集まる人々を好きになるかどうか分かると思うからだ。何事にも合う合わないはある。しかし、私の大好きな應典院に訪れて下さった方々に対して私は直接伝えることは出来ないが心の中ではいつもこう思っている。

『いらっしゃいませー!!!』

 

〇レビュアープロフィール

髙道屋沙姫(たかんどうや さき)

6歳で演劇と出会い、子役として活動を始める。中学から高校まで演劇部に入り、高校2年生で1人芝居の作・演出・出演で学校初の近畿大会出場を果たす。その後、大阪芸術大学舞台芸術学科演技・演出コースに進学するも、19歳で急性骨髄性白血病を発症。闘病生活中、様々な人の温かさを知り骨髄移植を経て1年で退院、大学に復学。かまとと小町を旗揚げし、復帰一作品目の『MAMMY』で大阪短編学生演劇祭で最優秀賞と観客賞をW受賞。全国学生演劇祭への出場を果たす。以降、『チクっと胸が痛くなることを、クスッと面白く』をモットーに、かまとと小町で(番外公演以外)全ての脚本と演出を担当。客演、脚本提供、演出、ラジオドラマの執筆やワークショップ講師など、活動の幅を広げている。

〇レビュアー出演等情報

DIVEプロデュース 大阪シアターフェスティバル演劇EXPO2018
『流れんな』
作  横山拓也(iaku)
演出 樋口ミユ(Plant M)
日時 2018年2月15日[木]➝18日
場所 ウイングフィールド