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2020/4/14 應典院住職 秋田光彦:「転重軽受」日々生かされていることに感謝してお念仏を

「コロナ感染症の物故者の追善と罹患者平癒を願い、また日々生かされていることに感謝して、お念仏をお唱えしましょう」

 

コロナウイルスの感染によってお亡くなりになった方々のご冥福を祈り、また、罹患され、病院や家で闘病中の方々への心よりのお見舞いを申し上げます。

浄土宗を開かれた法然上人のお言葉に「転重軽受(てんじゅうきょうじゅ)」というものがあります。阿弥陀さまはお念仏をとなえている人の、重く受けるはずだった病気を転じて、軽くしてくださるという意味です。目に見えない感染に注意を払いながら、同時に今こうして健康でいられること、おかげに感謝できる、そうした功徳をいただけるのもお念仏のありがたさであると考えます。

人間の長い歴史の中で、疫病との闘いは何度もありました。その平癒と安寧を願い、多くの宗教儀礼や芸能が開発されてきました。中世では遊行僧や阿弥衆が現れ、人々は仏への祈願や奉納のために、音曲や芸能文化を昇華させてきました。表現とは観客のために生まれたのではなく、生きることの願いの発露として育まれてきたものなのです。

猛威をふるうウイルスが人類へ発するメッセージは何なのか、今の世の中で我々は何を成すべきであるか、お寺として大きな命題を課せられたと認識しています。

ここでいう表現とは、舞台芸術はもちろん自律的な地域活動、市民活動を含みます。この数ヶ月、應典院も催しの中止を余儀なくされていますが、ただ失するばかりでなく、今だから求められる終活やコミュニティケアの活動に専念してまいる所存です。併せて現代のお寺として、ともに生きるため、何が可能なのか、これからも考えてまいります。

極楽往生の願いをもとに、日々の平穏無事と社会の平安を祈念いたします。南無阿弥陀仏。

 

浄土宗應典院住職 秋田光彦

 

—お知らせ—

尚、應典院寺務局は、コロナウィルス感染防止のため、緊急事態宣言発令中、職員はテレワークとさせていただいております。電話・メールでのお問合せは随時承っておりますので、ご用の方はお気軽にご連絡ください。