2020/9/15 熊川サワコ:おてら終活カフェ「がんになって見つけたこと〜サバイバーナースのチャレンジ〜」に参加して
去る2020年9月15日に、おてら終活カフェ「がんになって見つけたこと〜サバイバーナースのチャレンジ〜」を開催いたしました。ゲストに、柴田敦巨さん((株)猫舌堂代表取締役・看護師)をお迎えし、ご自身のがんを患ったご経験、そして同じ境遇の仲間との出逢いを価値に変え、「猫舌堂」を立ち上げ、ビジネスとして社会発信しておられる活動をお話しいただきました。柴田さんの柔らかい語りかけが心地よく、しかしそこに秘められた強くしなやかな生き様に、いま生きている有り難さを感じ、また「食べる力」について考えさせられた時間でした。当日は多くの方にお集まりいただきましたので、應典院研修室に会場を変更して開催しました。
この報告レビューは、今年1月に終活カフェでゲストとしてお迎えし、また今回は参加者として来てくださった、熊川サワコさんに、当日の感想や情報についてご寄稿いただきました。
食べるのに困ったこと、ありますか!?
「あるある! あれは給料日3日前・・」
えーと、そうじゃなくて。(汗)
「あ、食物アレルギーの話ね。 親戚にそばがダメな人がいて年越しそばが・・」
うーんと、質問をかえましょう。
みなさんは、“食べるという行為”に困ったことは、ありますか?
「え?」
“食べ物を口に入れて、もぐもぐゴックン” に、困ったことはありますか?
「う・・そんなん意識したことないかも」
ですよね。
大多数の方が、“食べるという行為”を無意識のうちにやってのけていますから。
🐈
私も特に意識せずに食べていました。 あの時までは。
ふざけて転んでアゴを打って、アーンができなくなりました。 打った所の痛みはすぐにひいたのに、耳の前の顎関節(がくかんせつ)が痛くて痛くて口が開きにくくなったのです。
おそらく顎関節症と思うのですが、「そんなとこで遊ぶから!」と怒られて医者には連れて行ってもらえず痛みがなくなるまでの1週間、柔らかいものだけをそろりそろり恐る恐る食べたことは、50年経った今でも忘れられません。
こんな風に困るのは、顎関節症だけではありません。 がん治療等の影響で食べるという行為に困っておられる方が、実は少なくないのです。
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柴田敦巨(しばたあつこ)さんもそのお一人。 看護師として働いていた40歳の冬、耳下腺がんと診断され手術を受け、外見(見えやすい場所)の変化に加え、さまざまな後遺症にみまわれました。
「口や舌が手術前と同じように動かない。」
「発音しにくい音がある。」
「手術した側の耳が聞こえにくい。」
「食べて歯磨きするだけで1時間もかかる。」
手術前と同じように食べたりできなくなった体は、心にも影響をおよぼしました。
「食べいてるところを他人に見られたくない。」
「家族以外の人との外食は、無理。」
純粋に食事を楽しめなくなった=友人や同僚と一緒に食べられなくなったことが、柴田さんをどんどん孤独に追い詰めていったそうです。
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そんな柴田さんが前を向けるようになったのは、同じような境遇の仲間との出会いがあったから。
そして、がんを経験したからこそ気付けた視点を新たに価値に替え、同じ境遇で悩む仲間(ピア)に向けて食べる喜びを取り戻すきっかけを作りたいと猫舌堂を立ち上げ、 仲間と『イイサジー』というスプーンとフォークを開発されました。
『イイサジー』は、がん治療(手術・放射線・化学療法)によって、食べる事への悩み(咀嚼障害・嚥下障害・味覚障害など)を抱える方やそのご家族のために、食べやすさを追求してつくられたピアメイド(同じ境遇の仲間によってデザインされた)カラトリー。
・口当たりがよい
・小さい
・平らで幅が狭い
・先端に丸みをがあり口腔内を傷つけない
・口唇が開きにくくても無理なく入る
・持ちやすい
という特徴があり、浄土宗應典院「おてら終活カフェ」で実物を手に取って感じたことは、
「確かに普通のスプーンやフォークよりは小ぶりだけど、説明を受けないとそういう方用ってわからないし、なんかめっちゃオシャレやん!」でした。
とにかくステキなんです~!!
柴田さんご自身が「いかにも福祉用具っていうものにはしたくなかった」と、見た目にもこだわって開発された『イイサジー』は、年齢性別問わずどんな方でも計算された一口量で食べやすく、触感をより楽しめるように設計されている UD=ユニバーサルデザイン。
これなら、家族全員で使えますね。
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新潟県燕市にあるステンレスカラトリー製造専門メーカーの職人さんたちと「ミリ単位」でこだわり抜いて開発。 自力摂取や食事介助共に使いやすいよう総体的に考慮して設計されているから、ギフトにもぴったり。
使い勝手やデザインがいいから、ちびっこやダイエッターにも人気があるんだとか。
『イイサジー』は2020/10/1現在、こちらで入手可能です。
*インターネット*
猫舌堂オンラインショップ
ヨドバシ.com
https://www.yodobashi.com/product/100000001005730171/
*実店舗*
ローソン関西電力病院店 (大阪市福島区福島2-1-7)
https://www.e-map.ne.jp/p/lawson/dtl/206687/
ラクスケアホテル (大阪市中央区谷町2-2-15)
https://www.takuto-stay.com/luxcarehotel/
コンセントカフェ (大阪市中央区久太郎町4-2-14 2階)
https://www.facebook.com/concentcafe47
コンセントカフェさんではなんと、『イイサジー』でランチを食べられるんだって! 試してから購入できるってめちゃええやん~(*^▽^*)
(コロナがなければおてら終活カフェで『イイサジー』とそうでない匙の食べ比べタイムがあって、使い心地もレポートできたはずなのですが・・。 というわけでみなさま、コンセントカフェさんにレッツゴー)
🐈
現在は、食べることの悩みが大きく外食に抵抗がある方が、周りを気にせず外食&悩み相談ができるカフェ&スペースを計画中。 食べる喜びに加えて、仲間<ピアメイド>との出会い&コミュニケーションの場づくりにむけて動いていらっしゃるそうですヨ。
生きることは食べること
食べることは生きること
あなたの周りに「食べること」にしんどさを抱えている方はいらっしゃいませんか?
猫舌堂の『イイサジー』のこと、教えてさしあげてくださいね!!
猫舌堂 公式サイト
https://nekojitadou.jp/
猫舌堂 公式Facebook
https://www.facebook.com/%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BE-%E7%8C%AB%E8%88%8C%E5%A0%82-105061621084662/
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レビューを書いた人:熊川サワコ
上級終活カウンセラー・iACP認定もしバナマイスター・介護相談員
フツーの主婦が「ある日突然!親の介護をする人」になり、一歩先をゆく友人に助けてもらいながら看取りまで走り切った経験から『ご恩送り』を活動の源に、介護をする人目線・家族目線を大切にしたお役立ち情報と、安心&気持ちが軽くなる市民講座やカウンセリングなどを開催。 実務的なコツに加え、「情報共有」や「コミュニケーション」の大切さをお話しています。
さらに近年、自分が社会的少数派のHSPと知り、学校・職場・子育て・介護など人生の様々なシーンで抱いた違和感にガッテン! 介護のしんどさの要因が、ここにもあったと腑に落ちました。
豊中市登録の市民公益活動団体ほくせつマメの木に【とよなかHSP情報会】を立ち上げ、市承認の事業等でHSPやHSCの概念を広める活動をはじめています。