2022/9/22 「おてら終活カフェ」半期のふりかえり
2018年よりはじまった「おてら終活カフェ」も丸4年を迎えることができました。
いろいろな角度から生きていることや、死にゆくことを考え、そしていまの自分やまわりの人との縁を感じ取る、そんな時間を過ごしてこれたと感じています。
今年度もご協力をいただきながら、ともに語らい過ごす時間をもつことができています。以下、これまでの振り返りを記します。
2022年4月19日「お念珠づくりワークショップ」/山田麻香(山田念珠堂/あさん堂)
山田念珠堂の山田麻香さんをお迎えして、お念珠づくりワークショップを開催。手軽なプラスチック素材から、ちょっと重みのある石まで、その時の自分の気分で、自由に作ることができました。いつのまにか熱中して、無言で石と紐に向き合う参加者さんたち。石の色もサイズも、紐の結び方にもいろいろあって、大いに楽しく悩みながら過ごすことができました。終ったあとは、お互いのお念珠を褒め合い、麻香さんからのお念珠にまつわるお話をお聞かせいただきました。「一生もののお念珠っていいものだな」「石ってロマンあふれますよね」「昔ながらの職人の技はすごい」などと、話題の尽きぬ時間でした。
2022年5月17日「令和時代の新しい「親孝行」。離れて暮らすご家族をALSOK が見守ります。」/ALSOK 綜合警備保障株式会社
コロナの時代になって、気軽に実家に戻ることも叶わなくなり、親御さんのことが心配という声をよく聞くようになりました。そんななか、應典院もセキュリティ会社としてお世話になることとなった「ALSOKアルソック」から、ご自宅の「高齢者見守りサービス」が誕生したということで、セキュリティのプロである職員のみなさまにお越しいただき、一人住まいの多くなった現代で気を付けなければいけない点(急な体調変化、気温調整、詐欺など)を教えていただきながら、「おうちの見守り」について語り合う時間をもちました。市区町村から配給される緊急ボタンは、係の人の不在時なども多く、うまく機能しないケースも多いとか。明るく若々しく頼もしい職員さん2人が、緊張しつつも懸命にお話されました。ご高齢の参加者のみなさまから率直な困りごともお話いただきました。
2022年6月21日「直観讀みブックマーカーをやってみよう」/考案 むつさとし
今回は体験型の時間ということで、「本」をつかったゲーム「直観讀みブックマーカー」を行いました。新しい本との出会いは、新しい自分との出会いでもあります。應典院ロビーにある、主に仏教関連の本たちを使い、観音菩薩様の見守るなかで、「自分自身を表す言葉」「人生のエンディングとは?」「抱えている悩み」などを、「本の神様」におたずねするという不思議なゲーム。難しい言葉に出会うこともあるけれど、その奥に眠るイメージを拾い上げ、「あっ、そうゆうことか」「まさにそのとおりだ」などと繋がっていく感覚。参加者のみなさまも、感心したり苦笑いしながら過ごしていました。「この本は知りませんでした。今度読んでみます」と、初めて出会った本に吸い寄せられている方もいらっしゃいました。
2022年7月19日「グリーフケア研究所で学んでみて」/沖田 都(應典院職員・臨床傾聴士(上智大学グリーフケア研究所認定))
應典院職員である沖田都からの、上智大学グリーフケア研究所での2年間の学びを経て、一度みなさんと一緒にお話する機会をもちたいという希望で開催しました。「グリーフの反応」について紹介し、自分のことを見つめ、振り返り「自分の物語」として受け入れることの大切さを話しました。治療とかアドバイスというものではなく、ただ聴くことで、語る人ご自身が気づいていく過程こそがケアになりうるものです。参加者のなかには、グリーフは自分とは関係ないものだと思っていたけれど、話をきいて、まさしく自分に当てはまるものばかりだったと伝えてくれた方もおられました。死別だけがグリーフではなく、とくにこの複雑な現代、世界中の人々が何かしらのグリーフを抱えているものです。また、さまざまな体験と学びをされた、グリーフケア研究所の仲間たちもお越しくださり、話を紡いでくださいました。貴重な機会を本当にありがとうございました。
コロナによって、人との出逢いや関わりに距離をとらざるを得ない私たち。今もなお、マスクなしで気兼ねなくお話できるという状況ではありませんが、それでも少しずつ付き合い方を工夫しながら、やはり私たちは、人と出逢い、語り合うことを欲する存在であると気づかされます。
これからも、こつこつと開催してまいりますので、ぜひご関心のあるテーマなどございましたら、お気軽にご参加ください。