【開催報告①】齋藤佳津子『極楽あそび芸術祭』を應典院にて開催しました
『極楽あそび芸術祭』應典院にて無事閉幕!初年度のテーマは「内なるこども」
「あそびの精舎」構想の企画として、大阪下寺町にあるお寺・應典院を舞台に、パドマ幼稚園と連携し、ちいさな芸術祭『極楽あそび芸術祭』を2024年10月19日〜27日に開催しました。開催報告①として、まずは初日の様子からご報告します。(撮影:澄毅)
にぎやかなロビーに集う老若男女
初日はまだ汗ばむ陽気となり、ロビーでは豆腐のドーナツや美味しそうなパンも販売され、子どもたちが思い思いに作るドリンクバーも開店していました。
初年度となる今年は、誰しもに眠る「内なるこども」をテーマに、アーティストである水田雅也さん、片山達貴さんを迎えしました作品展示など開催報告②でご報告します。20日と27日に開催されたこどもも大人も気軽に参加できるワークショップでは、土や雑草で絵の具からつくるお絵描き、演劇、仏教視点で下寺町をあるく極楽フィールドワーク、ぬいぐるみを持ち寄り語るカフェなどを多数開催しました。それら開催報告③もお楽しみに!
極楽×こども×アート×慈悲=?
まずは應典院住職の秋田光彦の読経から始まったオープニングセッション後、さとのば大学学長を2025年度からつとめられる兼松佳宏さんとDCL川地真史、大蓮寺住職の秋田光軌による「極楽×こども×アート×慈悲からみる芸術祭」のトークから開始。兼松さんの熱量溢れる「現代の大学生たちが抱える課題」や空海の教えから紐解く16つの指標、秋田光軌からは鶴見俊輔の「限界芸術論」から考えられる「子どもとおとなのアート」についての考察などがなされました。息苦しい現代社会に 一人ひとりが生きる術を見出していくための智慧として、仏教の学びから色々なことを紐解く時間になりました。
こどもは「 7歳までは神のうち」と古くからそう言われ、思いのままにふるまう存在です。こどもは自然そのものです。楽しいこと、慈悲ぶかいこと、尊いこと、そして一方で暴れ、壊すことも好みます。思うままの表現をみると善悪がなにか、ときに混乱する時もありますが、 おとなからすれば、そんなこどもたちの様子を羨ましくも思うこと有りませんか?今回の展示やワークショップ、セッションでは誰しもの中にいる「内なるこども」を探究する旅のようなものにもなりました。
「内なるこども」の発露の瞬間
20日を締めくくるプログラムは「オバケ集会」。実行委員では演劇レーベルREFUGIAが企画し、仮面と演劇の手法を使いなから、写真家の井上嘉和さんをゲストに迎え行われました。おとなも子どもも本気の段ボール工作に挑戦。みんなで円になってオバケのダンスを繰り広げながら、最後はオバケ集会の記念写真をパチリ。
実行した委員さんは、徒歩2分の近隣住民から、劇団員に薬膳師まで、さまざまな領域に関心をもつ約20名もの市民が、一般公募により集い、5ヶ月のあいだ「内なるこども」をテーマに、それぞれの「やりたいこと」を形にして、企画をつくりあげました。おばけ・料理・演劇・詩・踊り念仏・ぬいぐるみ喫茶と供養・まちあるき・音楽・落語・祈りのインスタレーション・破壊…といった多様な切り口で、ワークショップや参加型展示などを用意しましたが、準備段階で色々と思わぬことに出くわしたり、当日、お互いの「当たり前」が違っていたり、それぞれの個々の「内なるこども」が発露する瞬間もありました。そこにも大きな意味があったと思います。それぞれの前提条件や価値観の違いを超えながら、様々な方々と協力して、まずは初日が終了しました。(開催報告②と開催報告③に続く)
(写真撮影:澄毅・文責:齋藤佳津子)
『極楽あそび芸術祭』特設サイトでは今回のプログラム概要が見られます。