
2025/6/20 あそび精舎フォーラム『ライフコモンズの遠近法 -生老病死を支え合うコンパッション・コミュニティを考える-』
いよいよあそびの精フォーラムが5月からオープン、そのコア理念を主題に、一線の論者が語り合う「もうひとつのまちづくり」が、6月の「ライフコモンズの遠近法」です。都市論やアート論で活躍する山納洋さん、市民活動やコミュニティデザインの研究者である川中大輔さん、そしてディープケアラボの川地真史さんが登場します。
混迷を深める現代、改めて「生きるための場」とは何か、を、應典院の実践を踏まえながら、まなび、アート、ケアといった観点から語り合うセッションです。
ー これからの生き方を展望する新しい遠近法 ー
この30年、都市における場所は大きく変異を遂げてきた。テック空間の拡張は盛んに推進されていくが、反面人間として生きる(生き延びていく)ための場所は、スマート化と人口減少を背景に次第に衰退しているように見える。 應典院の新しいプロジェクト「あそびの精舎」の3つの場=「まなび」「アート」「ケア」は、持続的なまちの(あるいは市民の)育ちには必須のものだが、現実の多くは制度やサービスに回収され、本来の自律性を損ないつつある。誰もが消費者となって、好きか嫌いかで価値判断を下していく。そこには、生きる手ざわりを感じられるような場所や関係が生まれにくく、誰もが小さなディスプレイの世界だけを凝視しているように思える。それはコロナ禍以降一層加速しているのではないか。
地域と人生をよりよいものへと目指すものが「コミュニティデザイン」ならば、改めてこの時代において、経済の活性化や利便性の追求とは別の視点から、「コンパッションコミュニティ」をテーマとして見つめなおしてみたい。ここでいうコンパッション・コミュニティとは、現世の人間だけを有意とするのではなく、死者も動植物も含みこみながら、互いに生死を支えあうコミュニティをいうのであり、應典院あそびの精舎のコンセプト「ライフコモンズ」もこの目標に共振している。 見捨てられたもの、こぼれ落ちるものに着目しながら、世界と日常を接続する。それは、これからの生き方や暮らし方を展望する新しい遠近法を獲得するヒントになるのかもしれない。
日時
2025年6月20日(金)18:50〜21:00
会場
應典院 あそびの精舎フォーラム(気づきの広場)
出演
山納洋(大阪ガスネットワーク エネルギー・文化研究所、大阪芸術大学デザイン学科客員教授)
1993年大阪ガス入社。神戸アートビレッジセンター、扇町ミュージアムスクエア、メビック扇町、大阪21世紀協会での企画・プロヂュース業務を歴任。2010年より大阪ガス近畿圏部において地域活性化、社会貢献事業に関わる。現在大阪ガスネットワーク(株)エネルギー・文化研究所に所属。一方でカフェ空間のシェア活動「common cafe」「談話室マチソワ」、トークサロン企画「Talkin’About」、まち観察企画「Walkin’About」などをプロデュースしてきた。著書に『common cafe』(西日本出版社,2007)、『カフェという場のつくり方』(学芸出版社,2012)、『つながるカフェ』(学芸出版社,2016)、『地域プロデュース、はじめの一歩』(河出書房新社,2018)、『歩いて読みとく地域デザイン』(学芸出版社,2019)、訳書に『分断された都市』(学芸出版社,2020)がある。
川地真史(應典院あそびの精舎プログラムディレクター、一般社団法人ディープケア・ラボ代表理事)
Deep Care Lab 代表/公共とデザイン 共同代表。
Aalto大学CoDesign修士課程卒。web系事業会社、デザインコンサルティングを経て独立。その後フィンランドにて行政との協働や持続可能性へ向けたプロジェクトを行う。ワークショップやツールデザイン、共創プロセスを活かし、”他者関係からわたしをつくる”ことをテーマに、わたしを超えた他者とともに生きるための想像力をはぐくむ思索・実践をすすめる。
川中大輔(関西学院大学専任講師、シチズンシップ共育企画代表)
1980年、神戸生まれ。2003年にシチズンシップ共育企画を設立し、現在、同代表。「市民としての意識と行動力」が育まれる/発揮される場づくりに取り組み、全国各地で市民教育や協働まちづくり、NPOマネジメントに関するワークショップを担当。2013年に日本シティズンシップ教育フォーラム(J-CEF)を多くの方々と共に設立。同運営委員・事務局長を経て、現在はマネジメントチームメンバー。(財)大学コンソーシアム京都研究主幹、立命館大学共通教育推進機構嘱託講師(サービスラーニング担当)、龍谷大学社会学部講師、同准教授を経て、2025年度から関西学院大学人間福祉学部社会起業学科専任教員。2019年度から2023年度、放送大学客員准教授。市民の社会参加や社会イノベーション実践に資する教育/研究に取り組んでいる。

参加費
一般:800円 学生:500円 お布施チケット:1000円
【予約】*当日精算もできます
・申込フォーム https://forms.gle/YFHha5iZ2XzuVXSc7
問合せ
應典院寺務局 info@outenin.com