12月23日、大阪市立大学の水内俊雄先生の案内で釜ヶ崎を巡検しました。
12月23日(木)、2010年度の新規事業として展開した「應典院・木曜寺子屋サロン」の年内最終回スペシャルとして、ゲストとしてお招きした水内俊雄先生により、釜ヶ崎界隈の巡検(まち歩き)を行いました。水内先生は、「東アジアのホームレス問題研究会」の代表も務めておられ、特に大阪・西成の生活者の調査を丁寧に重ね来られました。専門とされる地理学の知見に基づき、都市史の変遷のなかで、社会的困窮者の方々が置かれている状況に対して、丁寧なフィールドワークを展開していらっしゃいます。
15時に浪速警察署前に集合し、古地図を片手に、明治初期からの日本橋筋を中心とする市街地化の痕跡を辿っていきました。途中、石井記念愛染園などの社会事業や、市営住宅の開発などが、どのように行われていったのかの解説もいただきながら、広田神社や今宮戎神社を経て釜ヶ崎界隈を経由し、應典院に縁の深いココルームまで歩いていきました。
その後、18時半からは、應典院でのトークサロン「チルコロ」となりました。「格差とまちづくり」というタイトルに重ねて、ホームレスと呼ばれる人々がどのように法制度で位置づけられているか、といった解説などもいただきました。ちなみに、東京では路上生活者、大阪では野宿生活者、横浜では屋外生活者、神戸では住所不定者など、地域によって呼び名も異なるそうです。ともあれ、そうした「不安定居住」をする方々への救護(リリーフ)や厚生(リハビリテーション)のあり方について、詳しい解説と、参加者からの質問への細かい解説をいただきました。
終了後は應典院の北隣のお店で忘年会。進行役を務めていただいた関嘉寛先生や應典院寺町倶楽部の西島宏会長なども交えて、楽しいときを過ごしました。年の瀬、いかにして、多くの<いのち>を支えることができるかを考える、よい機会となりました。