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夏のエンディングセミナー2011

夏のエンディングセミナー2011

遺族とグリーフワーク

~「喪失」の時代をどう生きるか~

2011年7月16日(土)・23日(土)・30日(土)

ゲスト:
尾角光美さん(7/16)
大下大圓さん(7/23)
小谷みどりさん(7/30)

聞き手:
秋田光彦(毎回とも)

主催 大蓮寺エンディングを考える市民の会・應典院寺町倶楽部
共催 浄土宗大蓮寺・應典院
助成 公益財団法人 JR西日本あんしん社会財団
協力 特定非営利活動法人エンディングセンター

◎開催趣旨

昨年来、「無縁社会」という言葉が浸透しました。人と人、人と地域のつながりが喪われ、思いやりや助け合いの心も冷えていく。その背景には、「少産多死」という深刻な現実が横たわっています。

15年後、日本の死亡者は160万人と、世界有数の「死者大国」となります。そこには無数の喪失の悲嘆(グリーフ)が生じますが、それを支えるコミュニティは急激に後退しており、遺された人が抱える負荷はかつてないほど重くのしかかっています。悲嘆、憂鬱、悔恨、ストレス、トラウマ…多くのグリーフ体験は、個人の内面だけでなく、今後の地域や共同体のあり方にも大きな影響を及ぼすことでしょう。

この「喪失の時代」という避けられない状況に直面して、私たちは何を考えるべきでしょうか—小さな試みが断続的に起きています。同じ境遇の者どうしが支え合うセルフヘルプ(自助)や家の宗教とは違うスピリチュアリティへの関心、また従来家制度を支えてきた葬儀や墓のあり方にも、新しい潮流の兆しがうかがえます。遺された人が自ら思考や行動を起こし、主体的に恢復していく「グリーフワーク」の可能性ともいえます。

私的体験として置き去りにされがちな「グリーフ」に、新たなまなざしを向け、個人やコミュニティが、新たなつながりを再生していくために何が必要なのか、3人のゲストとともに語り合います。

7月16日(土)
若者発:グリーフコミュニティのすすめ
<開会14時(閉会16時)>

ゲスト:尾角光美さん:LiveOn代表

高校生の時、尾角さんは母親を自死で喪いました。その体験と折り合いをつけながら、今28歳の彼女は、NPO[リブオン」代表として、グリーフにまつわる講演や研修に活躍しています。遺族サポートや自死遺児のネットワーク活動、應典院をはじめ数々の仏教寺院との協働など、直接当事者に寄り添いながら、若者の視点から、生きやすい地域づくりに向けて積極的な提言を続けています。元気な活動者である若者と、グリーフによるつながりの可能性について語り合います。編著に「こえて伝えたい〜104年目の母の日」。

【講師プロフィール】

2002年 都立国際高等学校卒業。2003年3月、母を自殺で亡くす。4月同志社大学に入学。 2004年から「あしなが活動」を通じて病気、自殺、戦争、テロ、津波などで親を亡くした国内外の遺児に物心両面のグリーフサポートを行う。2006年「自殺対策基本法」成立以来、自殺対策関連の講演を行う。 2008年京都JC主催「第五回京都学生人間力大賞」で「京都市長賞」受賞。2009年任意団体Live on立ち上げ、いつ、どこで、どのような形で大切な人を亡くしても、その人が必要とするサポートのある社会創りを目指して活動している。学校での「いのちの教育」、僧侶らを対象とした研修やワークショップなども行っている。編著書『102年目の母の日〜亡き母へのメッセージ〜』(長崎出版)。

7月23日(土)
仏教とスピリチュアルケアをつなぐもの
<開会14時(閉会16時)>

ゲスト:大下大圓さん:飛騨千光寺住職

現代の「喪失」を、仏教はどうとらえるのでしょうか。飛騨の名刹の住職である大下さんは、ホスピスケアのゆたかな経験を通して、死に逝く人や遺族との対話を数多く重ねてきました。生と死の現場から、人間の存在の在り方や生きる意味について探究し、その根源たるスピリチュアリティについて研究、提言活動を続けています。仏教者として、「グリーフ」というもっともスピリチュアルな体験をどうとらえ、どう支えるのか、瞑想療法やまちづくりなど実践的な取り組みを聴きます。また、これからのお寺や僧侶の役割についても語りあいます。近著は「手放してみる ゆだねてみる」(水谷修との対談)

【講師プロフィール】

1954年飛騨生まれ。千光寺で出家(12歳)。高野山大学文学部仏教学科卒業。 岐阜大学教育学部研究生終了。スリランカ国ビドゥヤランカ仏教学院修行留学(テーラヴァダー得度コース)。和歌山県の高野山で修行し(現在高野山傳燈大阿闍梨)、スリランカ国へ留学、スリランカ僧として得度研修。 帰国後、地元教育委員会で社会教育担当(3年)。2007年9月 日野原重明氏を会長とする 「日本スピリチュアル学会」を中心的に設立、理事に就任。2008年3月まで、高野山大学スピリチュアルケア学科客員教授を務める。現在、飛騨千光寺住職のかたわら仏教、医療、看護、人文系の大学で教鞭をとる。

7月30日(土)
グリーフワークとしての葬送を考える
<開会14時(閉会16時)>

ゲスト:小谷みどりさん:第一生命経済研究所主任研究員

小谷さんは企業シンクタンクの研究者の立場から、長く葬儀や供養の観点を通して家族の行方を研究してきました。近年、葬式や墓など日本人の葬送が大きく変容していますが、それを人生最後の生活設計としてとらえなおす数々の著作でも知られています。同時に、仏教のしきたりや習慣にも詳しく、葬送を巡るお寺や僧侶の、新しい動きにも注目しています。少産多死が加速する今後の日本社会において、グリーフワークとして葬送の可能性とは何か、最新のデータなども交えながら、語り合います。近著は「こんな風に逝きたい〜ホスピスからお墓まで」

【講師プロフィール】

1969年大阪府生まれ。奈良女子大学大学院修了後、ライフデザイン研究所(現・第一生命経済研究所)入社。博士(人間科学)。「日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団」事業評価委員。立教セカンドステージ大学講師。 生活設計論・死生学・葬送問題を中心に研究、終末期医療から葬送までを生活設計の視点からとらえ「エンディングデザイン」を提唱する。著書『変わるお葬式、消えるお墓』(岩波書店)の中では、永代供養墓・合祀墓・生前契約・散骨・宇宙葬などのさまざまな事例や、葬儀先進国であるアメリカやイギリスの最新状況なども解説。他『おとむらい新世紀』(東京新聞出版局),『こんな風に逝きたい』(講談社)など多数。

聞き手(各回とも) 秋田光彦

1955年大阪市生まれ。浄土宗大連寺住職。大連寺・エンディングを考える市民の会代表。パドマ幼稚園園長も兼ねる。97年に塔頭寺院「應典院」を再建し、地域での社会的、文化的活動の拠点に開放。また、新しい葬送のかたちを探して、02年には大連寺墓地に生前契約個人墓「自然」及び永代供養墓「共命」を建立。近著に「葬式をしない寺」(新潮社)

開催日

2011年7月16日・23日・30日
14時〜16時

場所

應典院研修室B(16日・30日)・大蓮寺(23日)

料金

一般1000円(應典院寺町倶楽部会員・学生は800円)

お申し込み

各日程別に以下のサイトまたは事務局連絡先にてお申込み下さい。

「7/16若者発:グリーフコミュニティのすすめ」

「7/23仏教とスピリチュアルケアをつなぐもの」

「7/30グリーフワークとしての葬送を考える」

電話:06-6771-7641 FAX:06-6770-3147

お問い合わせ

應典院寺町倶楽部
543-0076
大阪市天王寺区下寺町1-1-27
TEL 06-6771-7641
FAX 06-6770-3147
info@outenin.com
https://www.outenin.com