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3/20「ビヨンド・サイレンス~ポストオウムの20年を語る~」第1回を開催いたしました。

去る3月20日(金)、「ビヨンド・サイレンス~ポストオウムの20年を語る」の第1回が應典院研修室Bにて開催されました。このシリーズ企画は、1月20日に行った「ニッポン宗教、死と再生の20年~お寺Meeting特別編」での問題意識を引き継ぎ、應典院住職の秋田光彦と宗教社会学者の白波瀬達也さん(関西学院大学助教)の2人をホストとして、ポストオウムの時代における宗教と社会の変容を扱うものです。初回のゲストには宗教ジャーナリストで、『苦縁-東日本大震災 寄り添う宗教者たち』を著されている北村敏泰さんをお招きし、宗教とメディアの関係について語り合いました。

前半は北村さんから、大手新聞社という現場で長年務めてこられた立場から、さまざまな具体例を交えてお話をいただきました。「マスメディアにおける宗教の取り扱いは、外形的なものにとどまっている。著名な宗教行事の実施は伝えるけれども、その本質がどういうものなのかを掘り下げることはない。『臨床宗教士』の育成など、社会貢献的な側面がよくメディアに取り上げられるが、そういったものだけが宗教の本来的役割かどうかは再考すべきだ」と、マスメディアのさらなる教化に向けて、宗教側の働きかけが必要であることを主張されました。

白波瀬さんによる論点整理を経て、後半は参加者とのディスカッションに移りました。「マスメディアの影響力の低下とソーシャルメディアの興隆」を指摘される方、「宗教の本質は人から人にしか伝わらない」とメディアへの過剰な期待を戒められる方、「外形だけを利用されているとしても、結果的に多くの人に宗教側の試みを知ってもらえればいいのでは」とおっしゃる方など、さまざまな視点からご発言をいただき、議論を深めました。
最後に秋田住職からは、「宗教とメディアを語る際の切り口が、この20年でここまで多元化してきたこと。そして、宗教者自身が人と人をつなぐメディアであることを、もっと自覚すべきではないかと感じた」と感想が述べられました。

次回の「ビヨンド・サイレンス」第2回は、ゲストに大阪大学人間科学部准教授の稲場圭信さんをお迎えし、5月27日(水)夜に同会場での開催を予定しています。