7/25 夏のエンディングセミナー「おひとりさまをどう看取るのか」を開催いたしました。
去る7月25日、夏のエンディングセミナー「おひとりさまをどう看取るのか」を、大蓮寺客殿にて開催いたしました。去年に続いて、死後事務について生前から契約を結ぶ「生前契約」をテーマに据えましたが、今回は立教大学社会デザイン研究所の星野哲さんをお招きし、研究者としての立場からお話を伺いました。
前半は星野さんにご講演いただき、少子高齢化や無縁化などの社会状況や、宗教儀礼に対する価値観の変化について、さまざまなデータを提示しながら分かりやすく説明していただきました。関係性の希薄化が社会全体で叫ばれる中、生前契約をはじめ、死や終活を基点として縁をむすぶ取り組みが、NPOを中心にはじまっているといいます。どこの地域にも必ずあり、まだかろうじて信頼性が担保されているお寺を、人々とNPOとの出会いを生み出す、ハブ機能を持った拠点として再生する可能性について言及されました。
そして後半は、星野さんと秋田光彦住職との対話の時間となりました。大蓮寺で生前契約サービスに取り組んでいる秋田住職は、「日本の風土と一体化していた死生観が通用しなくなり、消費者的感覚で扱われはじめている。生前契約を縁の契機として、それぞれが死生観を語り直し、育む場としてのお寺でありたい」と想いを語りました。
一方、星野さんは、宗教者とカウンセラーの役割の差異を意識しつつ、「多くのおひとりさまを看取っていく時代に、お寺やNPOがどのような具体的役割を果たせるか、モデルの立ち上げが急務だ」と応答されました。
またセミナー終了後は、秋田住職を先頭にお墓ツアーを開催、多数の参加者とともに生前個人墓「自然」を見学いたしました。