2018/7/25 白井宏幸:SDNオープンセサミ第6回 劇的集団まわりみち’39『ロードワークのワークショップ』UT?VT?それともあなたは…? レビュー
去る7月25日、應典院舞台芸術祭Space×Drama×Next2018参加団体である、劇的集団まわりみち’39によるオープンセサミ第6回が開催されました。上演作品『誕生へのロードワーク』を題材に、出演者とお客様で思いのたけを語ってみるというワークショップ。今回は、俳優/ステージタイガー所属の白井宏幸さんにレビューを執筆していただきました。
受け取るためにはさし出さねばならない。
夕方になってももう少し涼しい風には頑張っていただきたい。じわじわと暑さの残る日でした。
第6回SDNオープンセサミにお邪魔させていただきました。演劇集団まわりみち’39さんが主催されておりました。
誠に申し訳ないことに私白井は劇団員虎本がアフタートークに参加してるにもかかわらず本作を拝見しておりませんでした。
ともあれ、作品を見ていない人も参加できるという風に書いていてくれていたので、お邪魔させていただきました。
見ていない人間が語っても仕方ないんですが、「提言する」というところで作品が一旦の完成をしたのではないかなと思いました。
ワークは「作品について重要な部分を語る」というものでした。
出演者と観客、未見の僕のような者が3対1くらいの割合で参加しており、簡単な物語と設定を伺ったのち、
お話を知っている人から順に作品のテーマとなる部分や、ご自身が作品の中で大切だと思うところを語っていってくださいました。
見ていない人間にも少しでも情報多く伝えようとしてくださる心の働きが見て取れました。
お話をある程度伺った後に主催の斜さんが「何か質問がないか?」とおっしゃられたので、
僕自身は先ほど伺ったお話の中で「劇中で施行されている一つの計画について」質問をしました。
「物語」の観点としては(極端に言えば)悪政の様なものや、権力を振りかざす者を演じるにあたり、
納得して演じることができていたのかどうか。そういう質問をしました。
昨今世の中を賑わす色とりどりのとんでもない発言や行動や計画など(少なくとも僕自身にはそう見えるのです)。
それらを発信している人の考えを「もう一つの正義」として認識することができるのかどうかという意味合いの質問でした。
回答の出る様な質問ではなくてご意見を伺う様な形でした。
これまでのやり取りを持って、ようやく作品の意義が出てきたんではないかなと思ったのです。
「私たちはこう思います」という「提言」だけではひとつ球を投げただけ。
受け取った相手がそれを投げ返してきて、ようやく一つ目のターンが終了したと言っていいのではないでしょうか。
演劇とは共感、関係性、そういったものを大事にする温度のある芸術だと思っています。
お互いの「間にある違い」にたいし、どこまで歩み寄っていけるものか。
そういうことを考えたワークショップでした。
なので、作品について気になった事は、出演者や作者にどんどん話しかけて聞いてくださっていいんじゃないかと思っています。
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白井宏幸 俳優 ステージタイガー所属
1980年兵庫県生まれ
大学在学中から演劇をはじめ運とご縁で舞台や映像に出演
2016年にはアトランタでの映画祭Filmapalooza2016にて最優秀主演俳優賞を受賞しカンヌ国際映画祭で主演映画が上映される
▼出演予定
ステージタイガー #009 「アフターバーン」
【日時】2018年10月12日(金)~14日(日)
12日(金)19:30~
13日(土)11:30~ 15:30~ 19:30~
14日(日)12:00~ 16:00~
【会場】 浄土宗應典院 本堂
【料金】 前売 3,500円 当日 4,000円
【詳細】 http://st-tg.net/