【開催報告】秋田光彦「仏教+よもやま話 最終回~みなさんの質問にお答えします」を開催しました。
去る11月26日に、應典院住職・パドマ幼稚園学園長の秋田光彦による「仏教+よもやま話」第4回(最終回)を應典院ロビーにて開催しました。最終回は30名の保護者の皆様に集っていただきました。はじめに浄土宗宗歌「月影」をみなで歌い、同称十念で開始となりました。
今回は、事前に受けた質問に対して、住職よりお答えしていくという形式で進めました。
まず「子どもが死を怖がるがどのように話せばよいか?」という質問に、住職は先日の「極楽あそび芸術祭」において一緒に遊んだ「ダンゴムシ」を、墓地の木の根元に埋め、子どもや先生、アーティストとともに供養したことを紹介されました。命の絶えた存在を、次の世界へ見送る宗教儀礼や物語の力はとても重要であるとおっしゃいました。子どもの死への捉え方は、大人には計り知れないものがあります。大人の側から決めつけることは避け、そっと放っておきながらも、そのように子どもが死に向き合って手を合わせたり考えを広げたりすることで、大人はとても励まされることを伝えてあげたいと言われました。
次は「おすすめの仏教入門書」についてです。ひろさちや原作の仏教漫画や、釈徹宗先生の著書で應典院での講義を文字化した本でもある『ダンマパダ ブッダ「真理の言葉」講義』 (角川ソフィア文庫)を挙げられました。ただ、仏教への入口は本だけに留まらず、実際にお寺にお参りにいくことや、出会ったお坊さんの存在が大事だと言われました。人生の再起や転換において仏教との本当に出逢いがあるのです。住職にとっては、
ほかにも子育てにまつわる質問、例えば「子どもが物を捨てられない」「兄弟げんかに親がそう関わればよいか」「子どもが食に対する欲がない」などが寄せられ、それぞれに、大人がすぐに判断することをせず、良いところも見極めながら接するなど、背中を押してくれるようなお答えを聴かせていただきました。
また、パドマ幼稚園の理念や教育についてのご質問や激励の言葉も多くいただきました。400人以上の子どもがあつまるパドマ幼稚園ですが、幼少期にこれほど大人数で歌い、走り回り、ともに学ぶ経験はそうそうありません。集団教育は、ともすればネガティブに捉えられがちな現代ですが、集団には集団のよいところがあります。それは集団をなす目的と、それに向かうルールと相互作用があるところです。小学校以降はどうしても個別化がはかられます。幼少期という自分と他者の愛着関係を築く大切な時期に、「一人ではできないことがみんなとならできる。みんなとできることは、やがて一人でもできるようになる。」というパドマ幼稚園の教育方針は有意義です。パドマ幼稚園で働く先生たちも、子どもたちと、また先生同士も日々さまざまなコミュニケーションをとり、自己点検を繰り返しながら、子どもたちの成長を守っています。また、そのように気持ちの籠った保育をつづけることができるのも、保護者の皆様が幼稚園に対してリスペクトをもって接してくださるからだと住職は仰いました。
今回で「よもやま話」という企画としては、最終回となります。住職自身、このように保護者の皆様に話をきいてもらえる機会というのはとても有難いことだと言われました。日々のお陰に感謝し、日常や公的な場ではないちょっと違う自分になれる、そんな場にお寺がなれればと締めくくられました。
み仏様が見守られながら、やわらかい時間となりました。最後に「同称十念」をもって終了となりました。お忙しいところお越しくださった保護者の皆様、有難うございました。