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2025/7/24 むぬトーク vol.3「ロボット / AIと家族になり、ケアし、弔う未来」ゲスト:勝野宏史氏

「死」と向き合うことは、世界との関わり方を問い直すこと

ふとしたとき、「死」について考えることはありますか?

身近な人の死に向き合うとき、多死社会の訪れを感じる知らせを聞いたとき、自分のこれからを想像したとき、思い出の品を手放すとき。日常生活で様々な「終わり」に遭遇しますが、じっくり向きあい、話しあえる機会はなかなかありません。

「死」について語ることは、「生」を考えることでもあります。

『むぬトーク』について

『むぬトーク』は、現代における「生と死」をめぐる対話型トークイベントです。

「生と死」は誰にとっても避けられないテーマであり、社会全体の未来を見通すレンズにもなります。AI/VRの発展、多死社会、気候変動や災害、生物多様性の危機———こうした変化のなかで、私たちは「生と死」にどのように向きあえばよいのでしょう。

AI技術による死者の再現やグリーフケア、生類供養、風景に込められた記憶と継承などのテーマを横断し、むぬトークでは、独自の知見や経験を持ったさまざまな研究者・実践者をゲストに迎え、こうした幅広い観点から対話を深めていきます。また、参加者同士の対話の時間も大切にしながら、共に思考を深める場をつくります。

『むぬトーク』の名前は、2024年に開催された「産む」から「死ぬ」までをテーマとしたイベント『むぬフェス』に由来します。このイベントの背景を引き継ぎ、定期開催の対話の場として生まれ変わりました。

もはや「買い替えどき」では済まされない、AIやロボットとの別れのかたち

今回の「むぬトーク」では、人類学者の勝野宏史さんを迎え、「ロボット / AIと家族になり、ケアし、弔う未来」について考えます。
人間の能力を補完したり仕事を代替したりする「役に立つ存在」として開発されてきたロボットやAI。
日本では、こうした存在が単なる技術の枠を超え、唯一無二のパートナーや家族のような存在として受け入れられつつあります。
ChatGPTのようなAIと気軽に言葉を交わす。家庭にロボットを迎え、ペットのように可愛がる。
そこには、私たちとロボットやAIとの関係が大きく変わりつつある兆しが感じられます。
では、そうした存在との関係が「終わり」を迎えるとき、私たちはその別れをどう受け止めるのでしょうか?
もはや「買い替えどき」では割り切ることができず、何らかの気持ちの揺らぎが生まれているとき、私たちはロボットやAIに対して「弔い」という行為を必要とするのかもしれません。
これからの時代、ロボットやAIを供養したり、逆に看取られたり… あるいは、ロボットやAIのための終活や遺言もありうるかもしれません。

今回は勝野さんの知見や実践を足がかりにし、参加者一人ひとりの身近なエピソードも交えながら、こうした問いについて共に考えたいと思います。

こんなことに興味関心がある方におすすめです!

・ケアと自身の死生観を現代の文脈で再構築したい
・対話を通して自身の思考・問いを深めたい
・「生と死」など、普段話す機会のないテーマで、気軽に話せる場を探している
・AIやロボットをめぐる科学技術と私たちの暮らす社会が影響を及ぼし合う相互関係に関心がある
・人間以上の存在と共に生きる未来のあり方を思索したい
・AIやロボットとの共生についての未来思索からバックキャストし、現在に接続して考えたい
・アニミズム的世界観に関心があり、人間と非人間の調和による新しい生き方を追求している
・仏教思想や民俗学、人類学的な視点を取り入れながら、現代の営みを読み解きたい

ゲスト:勝野宏史さん(人類学者/同志社大学教授)

 

 

 

 

 

 

 

 

スマホやSNS、AIなど、私たちの生活に深く入り込むデジタル技術が、人間の「感情」や「感覚」、そして「想像力」にどのような影響を与え、それらとどのように関係を結びながら変化しているのかを研究しています。最近は、人とロボットやAIキャラクターとのあいだに生まれる「親しみ」や「つながり」に注目し、現代における新しい関係性のあり方を文化人類学の視点から問い直しています。『Imagining AI: How the World Sees Intelligent Machines』(Cave, S., & Dihal, K.[Eds.]. [2023]Oxford University Press)にてCh.2「The Meanings of AI: a Cross-cultural Comparison」執筆。『How That Robot Made Me Feel』(Johnson, E. [Ed.].[2025]MIT Press)にてCh.9「Mindful Machines: Buddhist Models of Emotion for Human-Robot Flourishing」執筆。

当日の流れ

・イントロダクション
・ゲストからの話題提供
・参加者同士での対話
・対話の全体共有
・クロージング

※上記は変更になる可能性もありますのでご了承ください。
出来るだけ参加者の皆さんとの対話の時間を多く設けたいと思っています。

開催概要

日時

2025年7月24日(木)18:45~20:30

場所
應典院

ゲスト
勝野宏史さん(人類学者)

定員
20名

参加チケット(必須)

参加チケット 500円 ※必須

お布施チケット(任意)

参加は出来なくてもお布施というかたちで応援いただく方法もございます。

お布施チケット 500円 ※任意
お布施チケット 1,000円 ※任意

チケットのお申込について
以下、Peatixよりお申込みください。(クレジットカード・コンビニ決済・PayPal対応)
※現金でのお支払いは受付しておりません。

 

 

 

 

ご参加にあたっての注意事項
・欠席される場合はキャンセル待ちの方に参加枠をお譲りしたいと思いますので、欠席が決まった段階で早めにご連絡をいただけると幸いです。
・定刻で始められるように5〜10分前の入場にご協力をお願いいたします。
※上記にご了承いただける方のご参加をお願いいたします。

お問い合わせ

あそびの精舎|應典院:asobi.outenin@deepcarelab.org

背景と体制

本イベントは、「あそびの精舎」構想に関連した企画です。 仏教・アート・ケア・教育…多様な視点と活動から、 あそびを通じて、いのち・生き方・暮らしを分かちあう「ライフコモンズ」を都市に育みます。

あそびの精舎

「あそびの精舎」は應典院が一般社団法人Deep Care Labと協働で立ち上げた拠点づくり構想です。子どもからお年寄り、祖先や未来の世代が集い、ともに「あそぶ」ことで、いのちのつながりに気づき、今の生き方を見つめ、生まれ死ぬまでの、暮らしをともに支えていく。その3つのLifeをふまえた「ライフコモンズ」の拠点へ。仏教思想をベースとして、日常の居場所から、ケアと教育、子どもと家族、老いや死生観といったテーマでのマルチセクター協働につながるリビングラボへの展開をめざしています。
https://asobi.outenin.com/

一般社団法人Deep Care Lab

祖先、未来世代、生き物や神仏といったいのちの網の目への想像力と、ほつれを修復する創造的なケアにまつわる探求と実践を重ねるリサーチ・スタジオです。人類学、未来学、仏教、デザインをはじめとする横断的視点を活かし、自治体や企業、アーティストや研究者との協働を通じて、想像力とケアの営みが育まれる新たなインフラを形成します。https://deepcarelab.org/

主催・企画運営

主催:應典院

企画運営:一般社団法人Deep Care Lab