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16年目の1.17、正午に鎮魂の法要を行いました。

16年目の1.17。コモンズフェスタまっただ中の應典院では、本寺の秋田光彦住職により、鎮魂の法要が行われました。大蓮寺の梵鐘を撞いた後、1階の11面観音像の前でお勤めをいたしました。

例年通り、この日は17時まで、塔婆と焼香の用意をさせていただいています。それに加えて、今年は20時まで2階では糸紡ぎが、夕方まで(15時受付終了)は箱庭療法の体験教室が開催、そのためにそれぞれの参加者の方も任意でご参加いただきました。
糸紡ぎは染織講師の大石尚子さんの指導で行われ、1月30日までに117mの糸を紡いで編み物をつくることが目標とされています。以下、住職の法話の内容を記しますので、それぞれに自らが何らかの走者となって、何かの思いをどこかに届ける役割を担っていただけることを願っております。

<2011年1月17日 秋田光彦住職の法話>

阪神・淡路大震災から16年を迎えました。震災が遺した傷跡も大きいのですが、16年前の出来事で、いのち、家族、地域といった、同時に大切なものを私たちにもう一度、思い起こさせたと思います。あるいは、人間にとって幸せとは何か、助け合いとは何か、生きるとはどういうことか、こういった日常の生活ではなかなか考えないことを、私たちの目の前に差し出してくれた、大きな契機でもありました。
いのちというのはリレーです。誰かがいのちを占有しているわけではありません。決して、家族、一族という系譜だけで位置づけられているわけでもない。わたしはどこかで必ず誰かとつながっています。
大勢の方々のいのちが損なわれましたが、その方たちから引き継いだ大切なもの、それは何だったのかを絶えず思い起こしながら、一日一日を誠実に、願いを持って生き抜いていこう、と、多くの人がまた今日、そのような誓いを新たにしてくださったのではないでしょうか。このことが、亡くなった大勢の方々に対する、私たちができる最大の供養ではないかと思っています。應典院もまた、そういうお寺でありたいし、私たちが取り組む一つひとつの役割全てが、大勢の人々のいのちを引き継ぐ、そういう大切なリレーであることを、改めて皆さんの胸に刻み直していただければと思います。

2011年1月17日、正午の法話