イメージ画像

7月2日 第61回寺子屋トーク相愛大学新学科開設記念企画「震災と仏教〜私たちは今、何を問われているのか」開催

去る7月2日(土)第61回寺子屋トーク相愛大学新学科開設記念企画「震災と仏教〜私たちは今、何を問われているのか」が開催されました。宗教学者の釈徹宗さんと評論家の宮崎哲弥さんをお迎えし、本堂ホール満場の盛会に。当日は、相愛大学仏教文化学科、文化交流学科から学生さん10名にボランティアとして、会場設営等のお手伝いをいただきました。

お二人の軽妙なトークでは、「震災の不安に浮き足立つ人々に対して、日本仏教は何かメッセージを出せたのか」という主要テーマが掲げられました。「震災に直面した人々に対して、出来合いのフレーズを使って伝えることに不信感がある。この不安感はどこかに帰属させないと落ち着かないが、日本仏教はよりウェットに、無常だからこそ「寄り添う」のです。」

途中10分の休憩をはさんだ2時間の語り合いに対し、会場アンケートからも、多くの刺激を得たと好評をいただきました。具体的には「無常な世の中、不条理な苦しみに寄り添うことの意義を再考した。」「問いのたて方に対して仏教は力を持つことを実感できた。」「「今回の震災では「仕事って何?」という問いが生まれた」という指摘に考えさせられた。経済活動という意味ではなく、やっぱり人は人のお金で生きていたくない。」などです。
なお、閉会後は山口主幹が進行役となって、ボランティアスタッフも交えて、当日の内容を振り返る機会が設けられました。そこでは司会を務めた秋田住職から、6月上旬に石巻を訪れた際に、被災された寺院の住職から「法然上人の時代に戻ったのだよ」というつぶやきを思い起こした、とコメント。そして「単純な因果律では、今回の震災の大量死は説明がつかない。すべての者を救いとるとした往生思想こそ、大乗仏教の精髄」と、改めて今回のテーマに根差す仏教の知恵について関心が向けられました。
應典院では今後も震災をテーマにして取り組んでいく予定です。コモンズフェスタをはじめ、各種の場で具現化してまいりますので、ご期待ください。