11月15、16日シアトリカル應典院旗揚げ支援プロジェクト第1弾実施
應典院舞台芸術祭space×drama2011が終了し、次年度の募集が始まる中、今年から新しい演劇支援プロジェクトが始まりました。シアトリカル應典院旗揚げ支援プロジェクトです。これは、應典院寺町倶楽部が新たに活動を始める劇団を応援する事業で、今回そのプレ企画に選ばれたのが「演劇集団あしたかぜ」です。この劇団の劇団員は全員卒業を間近にひかえた大学4回生。代表のつぼさかまりこさんは、演劇界を離れていく同世代の姿を危惧しながらも、「誇りをもって『演劇をやっています』といえる職場、社会への小さな小さな架け橋になれればと願っている」と当支援プロジェクトに熱い思いを寄せられています。今回の旗揚げ公演には、寺町倶楽部から本堂ホール使用費やアドバイザー費等の一部が援助され、11月15、16日に本番を迎えました。
物語は、18歳にして母親になる主人公マナミが夫に妊娠を告げるところから始まります。無事に長女を出産し、平凡だけれど家族のぬくもりにあふれた日々の生活に幸せを感じる…というホームドラマが一変、夫の事故をきっかけに崩壊していきます。職場で頭を強打したことで、様子がおかしくなる夫。少しずつ精神的に幼児化していくその姿に、マナミも戸惑いをかくせず、「私、幸せ?」というシンプルな問いに自問自答し続けます。
つぼさかさんが、高校生のときに書き上げたというこの作品ですが、結婚、子育て、家族といった女性的な人生観を軸にしたテーマ設定で、全体的に非常に落ち着いた、安定感のある雰囲気が創出されていることに驚きます。今後がとても楽しみな劇団。應典院では、今後も旗揚げ支援プロジェクトを続けていく予定です。