1/26「コモンズフェスタ2017」『レッスルする世界~交じり合うカラダのワーク~』を開催いたしました。
1月26日、「コモンズフェスタ2017」のプログラム『レッスルする世界~交じり合うカラダのワーク~』を開催致しました。
レッスル=プロレスという言葉に引き寄せられて、寒い中、10数名の参加者が仕事の帰り道などでお立ち寄りくださり、会場の應典院本堂は熱気に包まれました。開始前から、会場のスクリーンに映し出されていたのは、プロレス試合の名シーンの数々。白黒の映像も多く、特にプロレス好きの方にとっては感動を呼ぶものでした。
開始時刻となり、まずは大阪総合保育大学准教授の弘田陽介先生による『レッスルする世界』についての講座が始まりました。哲学者ロラン・バルトやカントの引用、脳科学の最新研究等をまじえながら、プロレスの演劇的美学についてお話が進んでいきました。特に、『週刊ファイト』元編集長井上義啓氏の名言「プロレスとは底が丸見えの底なし沼である」のご紹介や、「プロレスとは意識下にない身体による即興の共同作業なのである」という主旨のご解説をいただく中で、ご参加者の中から、「プロレスってコンテンポラリーダンスみたい」というご感想が出ました。
後半は、実際に、その<意識を越えた身体>を体験するべく、グループに分かれて、パンチと受けのワークや、目をつぶって掌を合わせ、互いの身体のつながりを感じるワーク、また、相手の力んでいる身体箇所を感じるワークなどを行いました。身体のどこに力点を置くかによって、相手を動かす力量が変わることが実感でき、参加者からは感嘆の声もあがりました。なお、今回の参加者の中には、古武術や整体、発達障害についてのご専門の方、中国武術やコンテンポラリーダンスを習われている方など身体にまつわる様々なご関心をお持ちの皆様がいらっしゃり、「プロレスの美学」について、多角的なアプローチからお話が深まりました。
終了の時刻となっても、興奮冷めやらぬ雰囲気が本堂に広がり、身体に潜む不思議な力の源に突き動かされているように、弘田先生と参加者のみなさんとが言葉を交わし合っていました。想像する力は、実際に人や物を動かす力に繋がっているということを垣間見ることができました。