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2019/5/24~5/26 たかはしみほ:有馬九丁目『スターラインエクスプレス』(應典院舞台芸術祭Space×Drama×Next2018)レビュー

去る5月24~26日に、有馬九丁目『スターラインエクスプレス』(應典院舞台芸術祭Space×Drama×Next2018)が公演されました。SF的世界の中で、熱量とともに描かれる人間ドラマ。今回は、カルディア脚本・演出、プランナー・プロデューサーの、たかはしみほさんにレビューを執筆していただきました。


 

劇団有馬九丁目「スターラインエクスプレス」千秋楽の公演を観てきました。
2時間だったけどあっという間でした。
SFを凄くシンプルなセットなのにいろんな場所を無理なく表現していて、余計なモノに目がいかないというか…自然に登場人物にフォーカスできる感じがよかったです。
作品は懐かしいSFのような印象かと思いきや、人生のリアルな悩みを描いていました。

女子高生 うみつひかり は、線路内での自殺未遂を引き起こしたことをきっかけにアンブラと出会う。一緒に旅することでアンブラを知ることになる。命をかけて人のために尽くしているアンブラの姿を見て、大きな衝撃と人が生きる意味を考えるようになる。
旅が終わる頃ひかりは、自分の存在意義を見つけることができて、逞しく女子高生になっていた。

そう・・・人は人との出会いで化学反応することで、強くなったり、突破口を見つけるのかもしれない。
やっぱり、葛藤する時間も人として必要な時間なのかなと思いました。
そして、今回のストーリーの中で超銀河新幹線の大事故の原因にびっくり!
まさか主人公のアンブラの絶望が発端だったとは・・・
アンブラは自分が利用され、孤独を感じ、人を信じなくなった。自分の生きる希望も失った。世の中を欺くことで自分を生きる価値を見出そうとしているように。

 

そんなアンブラを丸ごと受け止めたフレア存在はアンブラを大きく変えた。フレアの愛は大きい。
時に人は誰かに傷つけられ、また誰かに救われることもある。自分が不幸になったことを誰かを恨むことで鬱憤を晴らすのか。
不運だけども温かく見守り、寄り添ってくれる人がいるだけでアンブラのように人生をやり直すこともできる。
アンブラは自分の命をかけて人を幸せを紡ぐ存在に生まれ変わったのだ。

 

私は、この作品からいろんな気づきをもらった。
自分が犯した過ちを素直に認めて、やり直す勇気。人を信じる勇気。自分を信じる勇気。そして、見返りを求めない愛。
そう思うと人の出会いは良くも、悪くも宝であると思う。

 

○プロフィール

たかはしみほ 戯曲作家・パフォーマー・ヨガインストラクター
ライブやダンスパフォーマンスなどエンタテインメント作品を手掛ける。
2018年3月3日新たな創作活動の軸としてカルディアをスタート。
應典院舞台芸術祭2018SDN参加作品「きらめきのトキ」10月26日-28日上演

カルディアホームページ
https://kardia-expresser.jimdo.com/

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