
2025/5/12 むぬトーク vol.2「日常の中のちいさなグリーフ=喪失に、目を向ける」ゲスト:袰岩奈々氏
「死」と向き合うことは、世界との関わり方を問い直すこと
ふとしたとき、「死」について考えることはありますか?
身近な人の死に向き合うとき、多死社会の訪れを感じる知らせを聞いたとき、自分のこれからを想像したとき、思い出の品を手放すとき。日常生活で様々な「終わり」に遭遇する度、ふとよぎる問いですが、じっくり向きあい、話しあえる機会はなかなかありません。
「死」について語ることは、「生」を考えることでもあります。
さらに、多死社会・気候変動と災害・伝統文化の縮小・生物多様性の激減…といったように、人もいきものも文化も「終わり」が切り離せない時代を迎えています。私たちは「終わり=死」から「これからの時代をどう生きるか」を考えることができるのでは?
「むぬトーク」は、そうした「生と死」にまつわる問いを一緒に考え、語り合う場です。
ともに、対話を通して深めてみませんか?
「生と死」をめぐる対話型トークイベント『むぬトーク』
『むぬトーク』は、現代における「生と死」をめぐる対話型トークイベントです。
「生と死」は誰にとっても避けられないテーマであり、社会全体の未来を見通すレンズにもなります。AI/VRの発展、多死社会、気候変動や災害、生物多様性の危機———こうした変化のなかで、私たちは「生と死」にどのように向きあえばよいのでしょう。
AI技術による死者の再現やグリーフケア、生類供養、風景に込められた記憶と継承などのテーマを横断し、むぬトークでは、独自の知見や経験を持ったさまざまな研究者・実践者をゲストに迎え、こうした幅広い観点から対話を深めていきます。また、参加者同士の対話の時間も大切にしながら、共に思考を深める場をつくります。
『むぬトーク』の名前は、2024年に開催された「産む」から「死ぬ」までをテーマとしたイベント『むぬフェス』に由来します。このイベントの背景を引き継ぎ、定期開催の対話の場として生まれ変わりました。
「日常の中に起こる小さな痛み」に目を向けること。
今回は、心理カウンセラーの袰岩奈々さんを迎え「グリーフケア」を取り上げます。
グリーフケアとは、一般的には死別ケア・遺族ケアとも呼ばれ、身近な人の死やペットロスなどによる深い悲しみや痛みに寄り添い、立ち直りを支援することを指しますが、
今回のゲストの袰岩さんにとってのグリーフケアとは「日常の中に起こる小さな痛み」に目を向けること。
わたしたちは生きる中で大小さまざまな「喪失の痛み」を抱えます。
失恋してしまったとき、
私は呼ばれてないけど友達が楽しそうにしているのをSNSで見かけてしまったとき、
他人のささいな言動に心がちくっとしたとき、
自分の所在がないように感じるとき、
そんな人間関係の中だけでなく、
自分より長い年月を樹齢100年以上の大木を切り倒さないといけないとき、
釣った魚の命をいただくとき、
などほかの種との関係の中でも痛みを感じるかもしれません。
なんならわたしたちは母親から生まれ落ちた瞬間に母親と離れてしまった最初の痛みを感じるとも言います。
大きくても小さくても、意識していてもしていなくても、実は私たちが生きているうちに感じている「痛み=グリーフ」をきちんとすくい取って扱ってあげること、それがあなた自身、そして世界のケアにつながるかもしれません。
仏様とご先祖様が見守る應典院・気づきの広場で、それぞれの痛みを分かち合い、ケアし合う、そんな時間が持てたらと思います。
こんなことに興味関心がある方におすすめです!
・ケアと自身の死生観を現代の文脈で再構築したい
・対話を通して自身の痛みに触れてみたい
・グリーフケアの現場で行われているワークを体験したい
・自分の中の痛みとどう向き合っていくといいか悩んでいる
・「生と死」など、普段話す機会のないテーマで、 気軽に話せる場を探している。
ゲスト:袰岩奈々さん(心理カウンセラー)
不登校の子どもたちへの訪問相談をきっかけにカウンセリングの世界へ。
大学のメンタルヘルス相談員などを経て、1992年、荻窪でカウンセリングルーム・プリメイラを開室。
2011年、ホノルル移住。大切な人との死別や離別を体験した子どものグリーフサポートを行うNPO Kids Hurt Too Hawaii元理事。
同所でトレーニングを受け、ファシリテーターを続ける。著書に「感じない子ども こころを扱えない大人」(集英社新書)など。
当日の流れ
・イントロダクション
・ゲストからの話題提供
・ケアのワーク
・全体対話
・クロージング
※上記は変更になる可能性もありますのでご了承ください。
出来るだけ参加者の皆さんとの対話の時間を多く設けたいと思っています。
開催概要
日時
2025年5月12日(月)18:30~20:30
場所
應典院
ゲスト
袰岩奈々さん(心理カウンセラー)
定員
20名
参加チケット(必須)
以下よりお選びいただけます。
参加チケットのみ 500円
参加チケット(500円)+お布施チケット(500円) 1,000円
参加チケット(500円)+お布施チケット(1,000円) 1,500円
お布施チケット(任意)
参加は出来なくてもお布施というかたちで応援いただく方法もございます。
お布施のみ 500円(参加なし)
お布施のみ 1000円(参加なし)
チケットのお申込について
以下、Peatixよりお申込みください。(クレジットカード・コンビニ決済・PayPal対応)
※現金でのお支払いは受付しておりません。
ご参加にあたっての注意事項
・欠席される場合はキャンセル待ちの方に参加枠をお譲りしたいと思いますので、欠席が決まった段階で早めにご連絡をいただけると幸いです。
・定刻で始められるように5〜10分前の入場にご協力をお願いいたします。
※上記にご了承いただける方のご参加をお願いいたします。
お問い合わせ
あそびの精舎|應典院:asobi.outenin@deepcarelab.org
背景と体制
本イベントは、「あそびの精舎」構想に関連した企画です。 仏教・アート・ケア・教育…多様な視点と活動から、 あそびを通じて、いのち・生き方・暮らしを分かちあう「ライフコモンズ」を都市に育みます。
あそびの精舎
「あそびの精舎」は應典院が一般社団法人Deep Care Labと協働で立ち上げた拠点づくり構想です。子どもからお年寄り、祖先や未来の世代が集い、ともに「あそぶ」ことで、いのちのつながりに気づき、今の生き方を見つめ、生まれ死ぬまでの、暮らしをともに支えていく。その3つのLifeをふまえた「ライフコモンズ」の拠点へ。仏教思想をベースとして、日常の居場所から、ケアと教育、子どもと家族、老いや死生観といったテーマでのマルチセクター協働につながるリビングラボへの展開をめざしています。
https://asobi.outenin.com/
一般社団法人Deep Care Lab
祖先、未来世代、生き物や神仏といったいのちの網の目への想像力と、ほつれを修復する創造的なケアにまつわる探求と実践を重ねるリサーチ・スタジオです。人類学、未来学、仏教、デザインをはじめとする横断的視点を活かし、自治体や企業、アーティストや研究者との協働を通じて、想像力とケアの営みが育まれる新たなインフラを形成します。https://deepcarelab.org/
主催・企画運営
主催:應典院
企画運営:一般社団法人Deep Care Lab