8/27 キッズ・ミート・アート2016「ゴロゴロゆるゆるコンサート~ゆりかごクラシック0.1.2~」「ゆめじぞう~ねがいごとや夢をカプセルに詰めて~」を開催いたしました。
キッズ・ミート・アート2016が今年も夏休み最後の土日、應典院とパドマ幼稚園を会場に開催されました。今年は共催である城南学園大阪総合保育、大阪城南女子短期大学の先生たちを講師にお迎えして、4つのプログラムを開催いたしました。
まずは、27日土曜日の1つ目のプログラム「ゴロゴロゆるゆるコンサート~ゆりかごクラシック0.1.2~」では、タイトル通り0歳から2歳までの乳児さんを中心に140名を超える参加者の皆様にご来場いただきました。会場のパドマ幼稚園の講堂は赤ちゃんたちでいっぱい。受付にはベビーカーがずらっと並ぶという、幼稚園では見慣れない光景となりました。
最初のオープニングでは、パドマ幼稚園の先生方の「虹」を皮切りに、楽しくにぎやかに始まりました。舞台上には大阪城南女子短期大学講師でピアノの山田千智さん、ヴァイオリンの正司円さん、歌と語りの北野加織さんがお姫様のような素敵なドレスに子どもたちの眼はキラキラに光って・・・。そして、歌の北野さんが「ぜんまい仕掛けのお人形さん」という設定に、大人も子どもたちも楽しく「おもちゃの交響曲」などを鑑賞しました。その後、幼稚園の先生方の「パドマ音楽隊」による、みんなが良く知っている童謡のメドレー、そして絵本『まてまてまて』、『しあわせならてをたたこう』の絵を大きなスクリーンに投影し、語りを聴きながら、音を楽しむコンサートへと続きました。
空気感が一変したのは、秋田光彦園長・應典院住職が墨染の衣で登場された時です。それまでにぎやかにしていた子どもたちが一瞬「し~ん」となり、僧侶という「宗教家」の存在感を肌で感じた時間でもありました。園長先生の口の曲がった和尚さんの素話「ねじくれもち」を聞いた後に、本格的なピアノ演奏による「動物の謝肉祭より‟終曲“」や歌とヴァイオリンとピアノによる「童謡メドレー」などを堪能し、最後のフィナーレは「さんぽ」をみなさんで歌う時間となりました。
この日は、午前中のプログラムに参加された方、午後からのプログラムに少し早く来られて、フードコートで美味しいカレーやオーガニックスイーツを召し上がってくださる大勢の人たちでにぎわいました。
さて、2つ目のプログラムの「ゆめじぞう」は、幼稚園からガラリと変わり、應典院2階の墓地が見渡せる気づきの広場にて開催されました。
講師の栗山誠さんは、子どもの造形ワークショップを各地で展開されており、子どもの造形あそび、描画表現、居場所研究をされている大阪総合保育大学の教員でもいらっしゃいます。今回のプログラムは「ねがいごとや夢をカプセルに詰めて」というサブタイトルの紙粘土を使った造形プログラムでした。
5歳から小学生まで、様々な年代の子どもたちが気づきの広場に広げられたブルーシートの思い思いの場所に座って、初めて出会うお友達やご家族とともにワークショップは始まりました。ねがいごとは絵手紙としてカプセルに入れてしまうので、子どもの<思い>は、子どもたちの心の中だけに留まります。その後、紙粘土でそれぞれのお地蔵さんを作って、カプセルを入れていくのですが、形が出来上がっていくにつれ、子どもたちは少しずつ作業に集中していき、あたかも自分が思い描くお地蔵さんと自分の世界が重なり合い、その中に入り込むように黙々と創っていく様子がうかがえました。
出来上がったお地蔵さんは、土台をつけて上から透明なコップで保護するのですが、土台やコップにシンプルに色を塗るだけの子、ビーズや紙粘土で装飾を作る子など、様々なアプローチが見られ、子どもたちの独創性に参加していたご家族の方々も驚いておられました。
最後には、出来上がったお地蔵さんを一列に並べて、他のお友達がどのようなお地蔵さんを作ったのかをお互いに確認し、應典院主幹の秋田光軌と一緒に感想を話し合う時間を設けました。お坊さんから「作ったお地蔵さんについて教えてください」と問われ、それぞれ自分のことばで一生懸命に説明してくれました。お互いのお地蔵さんの成り立ちに耳を傾けることで、様々な考えがあることに気づいたときの子どもたちの表情の変化から、他者の思いや考えを共有する瞬間を感じました。
自分の願い、そしてお地蔵さんへの思いなどは他者には「見えないもの」です。しかし、制作の過程で、子どもたちの心の中に、自分の目には見えないものを大切にする気持ち、人の大事なものをそっと「愛でる」気持ちが芽生えたプログラムであったように思います。