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2023/4/25 「おてら終活カフェ」後期のふりかえり

2022年度も多くのご協力をいただき、さまざまなテーマについて、ともに考え思いを寄せる時間をもつことができました。
お越しくださった講師の皆様、ご参加くださった皆様、本当にありがとうございます。
9月からの後期に開催した会についてご報告いたします。

2022年9月20日「”終活”のいま、そしてこれから」/武藤頼胡(一般社団法人終活カウンセラー協会代表理事)

これまでもいろいろな機会で長くお世話になってきた、終活カウンセラー協会の武藤さんにお越しいただきました。コロナ禍を経てのいまの終活の状況と変化、また平均寿命の延びる日本社会の情勢、そのなかで高齢となっても生きていくのに必要な心構えなど、多岐にわたるお話をいただきました。改めて「終活」を握り直し、自分の人生を存分に生ききるためのパワーをいただけたように思います。どこまでも明るく力強い武藤さんの姿、自分らしく生きていく凛々しさから、励まされるような時間となりました。

2022年11月12日「食とグリーフケア~終末期の食事にまつわるお話~」/甲斐千穂(元病院管理栄養士、食物栄養学博士)

緩和ケア病棟で22年間勤務された経験をもとに、最期の一口に向かう道のりと寄り添い方についてお話いただきました。最後まで食べたいと思うものを工夫して食べられるように伴走し、またお亡くなりになったあとも、スタッフみんなで玄関でお見送りをされるという姿に驚きを隠せませんでした。また、甲斐さんならではの「食」のご紹介、味噌汁は簡単に栄養をとれる優れた食であることや、箸置きを使って食べ物とゆっくり向き合い咀嚼することの大切さなど、豆知識をふんだんにご紹介いただきました。もともとはバレーボール選手だった甲斐さん。これから独立し、スポーツ選手などの身体が資本である方々との協働と、「健康な人をもっと健康に!」をモットーに、幅広い世代や分野へ歩み出して行かれるそうです。

2023年1月17日「災害の心得~元NHK大阪放送局ニュースセンターのチーフエンジニアが語る防災~」/香川秀明(ニュースセンターチーフエンジニア)*本堂および梵鐘前にて阪神淡路大震災物故者供養を行いました。

28年前、阪神・淡路大震災の報道の真っ只中におられた香川秀明さんのお話を聞かせていただきました。当日のNHK放送番組もご紹介いただきながら、大変な撮影現場だったこと、所々に訪れる不思議なご縁のつながりで、なんとか放映できたことなど、臨場感のあるお話をお聞かせいただきました。そして、「防災とは事前に準備すること」を覚えていることをゴールに、「自助・共助・公助」についてなど、もしなにか起こった時のための知識をご紹介いただきました。また、香川さんは、定年後にもコミュニティ協会でのお仕事を経て、堺市堺区の防災サポーター育成のDVD制作をされたり、JAZZの企画をされたり、薬膳教室なども運営されています。コミュニティの中におられて、人と人との繋がりをしっかりと結ぶために生きておられる姿を感じさせていただきました。

2023年3月4日「音楽とケアと仏教~日本のうたや仏教賛歌をまじえながら~」/大西貴浩/釋琴声(声楽家、真宗大谷派僧侶、上智大学グリーフケア研究所認定臨床傾聴士)

大西さんのこれまでの歩み、ご縁としか言いようのないいくつもの出逢いを積み重ねられ、そのなかで気づかれた「仏様神様は自分のなかにいる」「宗教空間で歌うこと」「歌を通して仏教を伝える」ということなど、実感のこもったお話をしていただきました。そして途中途中に歌声を聴かせてくださいました。親しみのある心懐かしい日本の歌、そして仏教讃歌、他にもリクエストにお応えいただいた様々な曲をご披露いただきました。美しく力強く温かい、大西さんのテノールの歌声は、ダイレクトに胸に沁み渡りました。大西さんは、始終、参加者の方ではなく、ご本尊に向かって歌われました。大西さんを通してご本尊へと向き合い、なぜだか阿弥陀様のまわりに、歌の情景や想い、色が、広がっていくのを感じました。ピアノは京都大学大学院の素敵な方に演奏いただきました。應典院の古いピアノにも関わらず、素晴らしい演奏を本当にありがとうございました。