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1/17 コモンズフェスタ2016「グリーフタイム~喪失は私達のどこに息づいているのか~」を開催いたしました。

1月17日、コモンズフェスタ2016「グリーフタイム~喪失は私達のどこに息づいているのか~」を開催いたしました。グリーフタイムは、一人ひとり「失った大切な人やモノとの時間を、ゆっくりと、大切に過ごす場所」として、應典院で定期的に開催しています。しかし、今回は通常とは異なり、参加者の方々の想いや気持ちをシェアする時間を持ちました。

進行役である臨床心理士の宮原俊也さんより、趣旨説明が行われたあと、今回はカードにイラストと形容詞のかかれている「ストレングスカード」というものを使い、自己紹介をしていただきました。

そして、進行役の一人である應典院寺町倶楽部の齊藤由華から、感情の役割について書かれた1冊の本を紹介し、説明を行ったうえで、「悲しみなどマイナスに思える感情も、今日は大切にして過ごしてください」とメッセージを最初に送りました。

その後、「マンダラ塗り絵」というワークショップを行いました。仏教において、仏の悟りや世界観などを表現する曼荼羅という絵があります。お寺でグリーフに向き合っていただくということで、今回は「マンダラ塗り絵」を使い、そこに色付けしていくことで、ご自身のグリーフを表現していただきました。

それから、「マンダラ塗り絵」について描きながら感じたことを手掛かりに、参加者全員でシェアしていく時間を設けました。塗り絵をしていく中で、何を考え感じていたかを共有いただき、そこからご自身の心の傾向、性格、そして生き方についてお話が進み、深めていく時間となりました。

また、開催日は阪神淡路大震災から21年目という日でした。「きれいに復興された神戸の街に、見えない喪失があるように感じる」と進行役の宮原さんの投げかけから、社会的な喪失にどう折り合いをつけていくのか、個人でも折り合いのつかない事情と思いを、社会はどう扱っていけるのかと、東日本大震災のことも含め、思いを馳せる時間を持ちました。

最後に、再度「ストレングスカード」を選んでいただき、話し終えた今の感想を共有したあと、本日持ち帰りたい言葉やご自身に向けたメッセージなどを、まんだら塗り絵の裏に書いていただき、閉会といたしました。

参加者の方々からは、「安心」「幸せ」といったキーワードや、「ゆったり過ごせて、自分の好きなことやどうしたいのかが分かった」など、ご意見をいただくことができました。

この空間が、参加者の方自身やその方の持つグリーフを受け止め、そして、喪失や死を思うことで、生に思いを向ける時間となりました。