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3月6日~3月15日 展示「阪神・淡路大震災+クリエイティブマッピングプロジェクト」が開催されました。


コモンズフェスタ2012の期間中、應典院2階気づきの広場にて、「阪神・淡路大震災+クリエイティブマッピングプロジェクト」の展示が開催されました。このプロジェクトは、阪神・淡路大震災当時クリエイティブ分野(アート・デザイン・建築)のさまざまな支援の形をリサーチし、地震発生直後から現在にいたるまでの長い時間軸の中でプロットしていくという試みです。今回、東日本大震災から1年に際して展開されているコモンズフェスタでは、このリサーチプロジェクトの成果物であるタイムラインと、一つ一つの事例をポストイット形式で並べたカード、そしてwebsiteから閲覧可能なインタビュー記事やレポートを展示いたしました。

そもそも、このプロジェクトの発起人は東京在住のデザインユニットSPREADのお二人。彼らは東日本大震災直後に、「何かしたいけど何もできない」という葛藤の中で、神戸に拠点を構えるKIITO事務局の永田宏和さんに一本の電話をかけたとのこと。企画発案の背景には「被災地の長い長い復興の時間軸の中で、その局面、局面でクリエイターによる様々な支援の形があったことを知りたい、そしてそれを多くのクリエイターたちが見ることができる形に表現したい。」という思いが込められています。

4月に発足したこの試みでは、ボランティアリサーチャー達との月1回のミーティングを重ね、膨大な数の情報がまとめられました。そこには、美術家による基金の発足、演劇人が現地で行ったワークショップ、音楽家の出張ライブ、デザイナーが提案した簡易トイレ、大学の建築系研究室が考案した仮設住宅など、クリエイティブな視点からのさまざまな被災地支援活動が刻印されています。実際、展示を見に来られた方も、「実際当時、神戸にいた人間として非常にリアリティがある。」といった意見や、「(展示の)見せ方の、デザイン性も高い」という感想を残されていました。

確かに、震災に際した非常時においては、芸術やクリエイティビティという領域は二の次、三の次にされがち。もちろん、人命救助と衛生管理が最優先されるべきなのですが、それら第一段階の支援期間を経たあとで、心のケアや視覚的快適性などが問われる時期が必ず訪れます。その時にあらためて、クリエイターの力が必要とされるのではないでしょうか。
今回の展示をみて「17年前の震災当時に、芸術を通して被災者支援を行った人たちがこんなにいたということが驚き。」という学生も。現在進行形で東北の復興支援が進む中で、「自分たちにも何かできるんだ」とクリエイター達の背中を押す一助となればという願いが重なります。
タイムラインマッピングプロジェクトの展示は全国巡回を続けながら、情報のアップデイト中。これまでに拾いきれていない、より多くの事例を引き続き募集しています。