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1/7 コモンズフェスタ2017「艶笑喜劇『道頓堀心中冥途往来』参加型朗読+まち歩き」を開催いたしました。

2017年1月7日に、「コモンズフェスタ2017」2つ目のプログラム「艶笑喜劇『道頓堀心中冥途往来』参加型朗読+まち歩き」を開催いたしました。

前半は應典院の気づきの広場にて、鳥の鳴き声とお墓を背に、参加者のみなさんが演劇台本「道頓堀心中冥途往来」をまわし読みながら朗読しました。台本の作者は、20年ぶりに演劇作品を執筆された観光家の陸奥賢さんです。舞台は、江戸時代の大阪。下寺町など、應典院の周辺地域が登場します。口上から始まり、寺と遊郭と道頓堀のシーンがくるくると周り、まるで古典戯曲のような風情がありました。参加者のみなさんでト書きもすべて丁寧にまわし読んでいき、途中で陸奥さんによる舞台背景や関連人物紹介もあり、驚きや納得の笑いが起こりました。特に、破天荒なお坊さんの登場するシーンでは、應典院主幹の秋田光軌が見事にセリフの担当にあたり、たいへんリアリティに富んだものとなりました。物語が進むにつれて、朗読は更に盛り上がりを見せ、休憩もあまりとらないままに、約2時間があっという間に過ぎていきました。

読み終わった後は、應典院より出発し、物語の舞台となった周辺のまちを実際に歩きました。まず、應典院より二つ南の浄國寺へ移動し、美しく整えられた「夕霧太夫のお墓」を参拝。それから宗右衛門町を通って進みました。途中途中で、陸奥さんによるガイドがあり、古い写真や地図などを資料として見せていただきました。作品に登場した場所や元ネタがわかり、「あれはここだったのか!」という発見に、参加者の驚きが絶えないまち歩きとなりました。



陸奥さんの語りに導かれて歩き続けるうちに、徐々にフィクションと現実が混ざり合い、どこからが台本の世界で、どこからが本当の世界なのかわからなくなってしまうほど、新鮮な面白さを体感しました。また、普段からよく歩いている町並みに、大阪の奥深い歴史が散りばめられていることを改めて知る機会ともなりました。物語の登場人物たちと同じように、参加者のみなさんとも道頓堀の橋の上で別れの時を迎え、温かい空気のまま解散となりました。