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2017/12/19 二朗松田:meyou#9「シエルソル」レビュー

應典院寺町倶楽部との協働により、モニターレビュアー制度を試験的に導入しています。12月19日(火)に気づきの広場にておこなわれた、meyou#9「シエルソル」。10月に続いて気づきの広場で、ガラス越しに墓地を俯瞰する形での上演となりました。今回は脚本家・演出家の二朗松田さんにレビューを執筆していただきました。


いきなりこちらの話で恐縮ですが、
meyou所属の美香本響さんと
つい先日まで別の舞台でご一緒しておりまして。
大変お世話になりました。

にも関わらず、meyouさんの事を、
メヨーメヨーと読んでました。
ミユ、とお読みするんですね。
大変失礼しました。

つまり、meyouさんの公演はお初で、
前回のmeyou #9「シエルソル」もやはり拝見してないのですが、
坂本さん、金子さんのレビューを読むに、
http://www.outenin.com/article/article-9796/
http://www.outenin.com/article/article-9801/
大体の構成要素は同じであったようで。

音楽、ダンス(身体表現)、夏目漱石「虞美人草」。
應典院二階のロビー「気づきの広場」。

そういう意味では、
連続して観た方が演出などの差異が感じられ、
より楽しめるのかもしれません。

前回と違う点としては、
・ゲストダンサーさんは居らず、ダンスは諏訪いつみさんのみ。
・音楽担当がビオラでなくピアノ弾き語り(あとボンゴみたいな打楽器も)。
みたいな感じでしょうか。

今作、幾つかの章に分かれて構成されていて、
まずは河上由佳さんが椅子に座って、
みしまりよさんの演奏の中、
朗読を始めるんですが、
これが素晴らしい。

河上さんの性別も年齢も空間も飛び越えたような声と、
みしまさんの圧倒的な歌と演奏、
ここだけでも十分銭取れるレベル。
全く見当違いの事を言いますが、
七尾旅人のライブ観た時と似た感覚というか。
現代音楽的なピアノと歌、
そして文章が徐々に意味を離れ、
イメージの欠片となって解れて散らばっていく瞬間。
お二人でフジロックとか出ればいいと思います。

私自身は「虞美人草」読んだことなくて、
最初は頑張って朗読聞いてストーリーも読み取ろうと思ってたんですが、
2分で諦めました。
そもそもストーリー説明のための朗読じゃない、
云わばサンプリングネタなので、
ストーリーを追ってもあまり意味がないし、
それよりも目の前で起こっていることを受け取っていくべきと判断、
以降は身を作品に委ねておりました。
勿論ストーリーを理解した上で観た方が、
より面白いんでしょうが。

ラスト近く。
あれは親娘のシーンで良いんでしょうか、
美香本さんと河上さんが、大きな窓の外を見上げて、
何か会話を、流れ星などの単語が出ていたように思いますが、
とにかくその時、二階ロビーの大きな黒い壁としか
機能していなかったはずの大きなガラス窓、の向こうに、
突然、外の世界が現れて、
そう言えばこのガラスの向こうは墓地だった、
とこちらが思い出した刹那、
墓地の闇の奥に光が見える。
どうやら電灯を持った諏訪さんが歩いてらっしゃる様子。
その光がどういう意味なのかは、
ぶっちゃけよく分かんないんですが、
・お二人が外を向いて会話
→外に意識が向く
→と思ったら、外に光を携えた諏訪さんが!
このスピード感、
一気に空間が広がるこのスペクタクル。

例えば映画スター・ウォーズ、
楽しいシーンは沢山ありますが、
結局のところ、
ただの白い幕だったはずの所に、
ファンファーレと共に宇宙空間が映し出され、
観客は全員無限の宇宙へと放り込まれる、
あの一瞬こそが命だと思うんです。
今作のラストシーンにはそれがあった。
SW4のオープニングに比肩する、
見事な大技、
大変アガらせて頂きました。

このシリーズ、1月もあるんですよね?
三部作なのかな?
いつもはスルーするあの場所が、
まるで違う空間に変わるあの感覚は、
実際観てもらわないとご理解頂けないと思います。
少しでもご興味ある方は、
是非次回、足を運んでみて下さい
(↑レビュワー失格な締め方)。

 

〇レビュアープロフィール

二朗松田(ジロウマツダ)

デザイナーの傍ら、演劇・映像作品の脚本も手がける。演劇ユニット「カヨコの大発明」の全ての脚本・演出を担当。
2015年、脚本を担当した短編映画「ウェルテル無頼」が48Hour Film Project大阪にて作品賞、脚本賞受賞、また同作品はFilmapalooza 2016(アトランタ)、カンヌ国際映画祭でも上映される。

〇レビュアー出演等情報

・脚本・演出
カヨコの大発明
第3回30GP 一回戦
《三等フランソワーズ(先攻)VSカヨコの大発明(後攻)》
「横山ノッキン・オン・ヘブンズドア」
日時:2018年1月18日(木)19:00開演
会場:in→dependent theatre 1st
詳細:http://ka-geki.jugem.jp/?eid=260
ご予約:http://independent.base.ec 
料金:前売2,000円 当日2,500円

・出演
「新春大喜利会2018」
日時:2018年1月9日(火)19:30~
会場:in→dependent theatre 1st
ご予約:https://www.quartet-online.net/ticket/oogiri2018
料金:1,500円

人物(五十音順)

二朗松田
(デザイナー・脚本・演出家)